Destruction6―「血染契約」
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○回想、教室
優 「家を、出る?」
午前中、休み時間。弦の席の前に立ち、その言葉を思わず反芻する優。
弦、優の方を見もせずに早弁の真っ最中。
弦 「ああ、卒業して大学入ると同時にな。安アパートでも探してよ」
優 「ひとり暮らしったって、昴ちゃんはどうする? 弦の家、女の子が
ひとりで住むようなところじゃないだろ?」
弦 「そのための親父だ。まさか女子高生を広い家にひとり暮らしさせる
ほど非常識じゃねえだろ」
優 「狙いはそれか」
にやり、と笑う優。
弦 「何だよ?」
優 「自分が家を出れば、離れて暮らしている親父さんも戻ってこざるを
得ないか。うんうんこれも可愛い昴ちゃんのためだ」
弦 「知るかよ、あんな奴のこと」
優 「照れるな兄貴」
弦 「うるせえ」
くっくっ…と笑いの止まらない優。やがて、ふと、顔を上げる。
優 「…血、繋がってないんだったな」
弦 「あいつは、俺の妹だよ」
○サブタイトル
「Destruction 6 ― 血染契約」
○小笠原諸島。達磨島研究所"十字の檻(クロスケイジ)"
中央施設指揮所。大型スクリーンに映る戦況を凝視している藤岡ら。
一方、コンソールに取り付き、キーボードに指を走らせつつ鬼気迫る表情で
ガイオーマの機体情報を解析している三枝。
三 枝「そんなはず…そんなはずない…でもこの発生したエネルギーの総量
は…」
ちらり、と指揮所の奥に視線を走らせる。そして指揮所の奥、茫然と
立ち尽くしスクリーンを見つめている昴。
三枝・モノローグ(以下M)「擬似ブラック・スフィア、だとしても…彼女が
ここにいる以上それはありえないはず…」
と、三枝の懐中にて微かな電子音が鳴る。三枝の上着のポケットから覗く、
外部からの着信音を鳴らしている携帯端末。
そして、昴の見つめるスクリーンの中、兄、弦の乗るザンサイバー。
そして優の乗るガイオーマがまさに対峙している。
○湾岸地帯上空
夕暮れから宵の口へと変わりつつある空の下、眼下の海面――戦場を
なめるように飛んでいる1機のヘリ。中に乗る遮那、対峙する二体のマシンに
視線を向けている。
その遮那の視線の先、宙に浮かぶ、真の姿"波動銀鳳"に変形した
ガイオーマ。銀色に輝く神々しい翼を広げ、ザンサイバーを睥睨している。
弦 「優よォッ!」まだまだ余裕の笑みを唇の端に浮かべ、叫ぶ弦。
「待ってな、いまからそっち行ってブッ飛ばしてやらあ!」
ザンサイバーの背部ブースターが火を噴く。海面を蹴り、宙へと飛び出す
ザンサイバー。一気に宙空のガイオーマと距離を詰め、その右の拳を
振り上げる。が、
ガシッ、ザンサイバーの鉄拳を、左の掌で受け止めるガイオーマ。その、
ザンサイバーの拳を握った掌に握力が込められる。みしり、と鈍い破砕音を
発し、手の甲から砕かれるザンサイバーの右拳。
弦 「な…!?」
ザンサイバーの右手を掴んだまま、自らも右手を振り上げるガイオーマ。
その鉄拳がザンサイバーの横面に叩き込まれる。
頬のフェイスガードを砕かれ、あおりで片側の稲光のごとき角まで
叩き折れる。
さらに指先を伸ばすガイオーマ。その三角錐に構成されたブレード状の
鋼爪が五本、ザンサイバーの左肩の装甲に突き込まれる。装甲に穿たれた
五個の穴、そこに指を突き込んだまま、右手を握ろうとするガイオーマ。
バキバキ…、傷口を潰され、火花を上げて破壊されかけるザンサイバーの
左肩。
○"十字の檻"
戦況を見つめる一同、その、思わぬザンサイバーの危機に絶句している。
三 枝「二次元絶対フィールドが…完全に打ち消されている…?」
特に、愕然となっている三枝。その右手の中、懐中から出した携帯端末が、
虚しく着信音を鳴らしている。
○湾岸地帯
宙空、ガイオーマに、破砕された左肩を掴まれているザンサイバー。
弦 「こ…この野郎ォ…」
なんとか自機をガイオーマから離そうとする弦。だがガイオーマも、
簡単にザンサイバーを放しはしない。
優 「このまま片腕、引き千切ってやる」
勝利を確信する優。
刹那、突然コクピット内に走る放電。優、悲鳴を上げる。
バリリッ! ガイオーマの周囲にも迸る放電、ガイオーマの手が
ザンサイバーの左肩の傷を離す。
弦 「うお!?」
ザンサイバーもその高電圧に弾かれる。一方、ガイオーマのコクピット内、
優 「うわあああああっ!」
絶叫、
○"十字の檻"
昴 「これは…?」
藤 岡「…そういうことか」好機とばかり、にやりと笑う。「理屈は定か
でないが、あれだけのエネルギーを含有する機体だ。あのマントに身を
包んだ形態がパワーを抑える封印形態としたら…変形したとき、爆発的に
発生したエネルギーの奔流が、遂に機体の内部を逆流した…」
○湾岸地帯
まさに藤岡の言うとおり、ガイオーマの機体自体でも抑えきれない膨大な
エネルギーが、放電現象を伴って機体と優の肉体を苛んでいる。
放電現象と共に、その真白い装甲を激しく振動させているガイオーマ。
弦 「な、何が起こってやがんだ!?」
海面に落下したザンサイバーを立ち上がらせつつ、そのガイオーマの様に
唸る弦。
ややあって、不意にガイオーマの放電現象と振動が収まる。広げた翼が
折れ、がくん、と海面へと落ちるガイオーマ。
藤岡の声「何をしている、斬馬 弦」弦の耳に届く、藤岡からの通信。
「いいチャンスだ。パイロットを引きずり出し、あの敵機を回収しろ」
弦 「何だと?」
藤岡の声「それでケリが着くなら、それに越したことはない。――もっとも、
あれだけの過負荷に煽られた機体だ。パイロットは黒焦げだろうがな」
弦 「チッ…」
舌打ちしつつ、ザンサイバーを着水したまま動じないガイオーマへと
歩ませる。
一方、ガイオーマ、コクピットの中、
優 「く…」ボロボロの状態で身を起こす優。力なく右の掌を上げ、
凝視する。「この身体でも…骸逢魔のパワーを受け入れるには足りないと
いうことか。だが」
ぐ、と操縦桿を握りなおす。
そのガイオーマのすぐ寸前まで近付き、手を伸ばすザンサイバー。瞬間、
垂れ落ちたガイオーマの銀翼が水面を撥ねる! 翼が銀色の刃と化して
しなり、ザンサイバーの装甲表面を高速で切り刻む。
うお、と呻き、機体を下がらせる弦。海面に立ち上がるガイオーマ。
弦 「ひょほほほっ、そう来なくっちゃよォ、優ッ!」
優 「黙れ!」
両掌を突き出すガイオーマ。掌底のごとき構えから放たれた強烈な
衝撃波がザンサイバーを直撃する。たまらず海面から吹っ飛ばされる
ザンサイバー。
優 「叩き潰してやる!」
ガイオーマの背の、二基のシェルスラスターが吼える。跳ばされた
ザンサイバーに高速で取り付き、その喉輪を掴み上げたまま高速で、津波で
壊滅状態となっている沿岸地帯へ。
喉輪を締め上げられ、ザンサイバーの首の構造がギシ、と軋み音を上げる。
この体勢では、振りほどくことも出来ない。
弦 「優ゥゥゥッ!」
弦の叫び。
瞬間、ついに沿岸まで高速で到達し、ひとつの倉庫へと突撃する2機…!
○"十字の檻"
騒然となっている指揮所。藤岡が指示を飛ばしている。
藤 岡「緊急に増援を現地へ飛ばせ! あの敵の新型機、ICONの連中より
先に回収してしまえ。――叶、先行できるな」
○湾岸地帯
ザンサイバーとガイオーマが組み合ったまま激突、クレーター状の衝撃跡が
刻まれた、つい先まで倉庫が並んでいた一角。その傍らにて地上すれすれを
アイドリングで待機しているヘリ。
遮 那「――任務了解、現在遂行中」
遮那、先んじてヘリから降り、ハンドガンと携帯無線を片手に、地表が
焼け燻っているクレーターを駆け下りている。その中心には、組み合った
姿勢のままのガイオーマとザンサイバーの機体がある。
遮 那「ザンサイバーと敵機の機体確認、接近します」
○"十字の檻"
藤 岡「まずは弦の生死を最優先で確認しろ。敵パイロットは、場合に
よっては射殺して構わん」
遮那の声「了解」
藤 岡「増援もこれから緊急に出動する。俺も現地に行く。まずは
ザンサイバーと敵機の確保が急務だ」
昴 「藤岡司令官――」その昴の声に、ふと振り返る藤岡。「お願いです。
私も…連れて行ってください!」
藤 岡「何…?」
その藤岡の目前に立ち、決然とした表情を見せている昴。
昴・M「兄のこと、そして優くんのこと、すべては判らないことばかり
でした。でも、その時私は、あそこに行かなければならないという強い確信を
持っていたのです」
一方、コンソールの一角、この事態にも関わらず携帯端末にて、何処かと
通信を交わしている三枝。
三 枝「…まったく、やんちゃが過ぎるわよ。それにしてもずいぶん上手く
向こうを出し抜けたのね…あんなことしちゃって、知らないわよ私」
○湾岸地帯、ザンサイバー・ガイオーマ落下跡
縺れ合ったまま倒れている二機のすぐ真下まで来ている遮那。油断なく
ハンドガンを構え、ザンサイバーに覆い被さっている形のガイオーマを
見上げる。その胸部装甲が僅かに開き、開け放たれたコクピットが露に
なっている。開いたそこに銃口を向け、凝視。だが、そこは既に無人。
遮 那「敵は? ――弦君!?」
銃を構えたまま、弦の姿を探す遮那。だが弦の姿もまた何処にも見えない。
刹那、
ザッ、突然、物陰から現れる何者かの影。その気配に銃口を向ける遮那。
そこに立っている人物に、我が目を疑う。
遮 那「君は…」
優 「お久しぶりです、叶…司令補」
遮 那「あなたも…死に損ねたの」
優である。躊躇うことなく銃を撃つ遮那。が、首を僅かに振っただけで、
その頭に向けて撃たれた銃弾を躱す優。
遮 那「きみ――!?」
驚愕する遮那。瞬間、優の当て身が遮那の懐に決まる。うっ、と呻き、
手の銃を落とす遮那。
★
ザンサイバーコクピット、弦の目が開く。今まで衝撃で気を失っていた
ことに気付き、僅かに身を起こす。
弦 「痛つ…優の野郎…」ぶんぶん頭を振るう。「どうなっちまったんだ
…?」
と、外から響く銃声。素早く反応し、転がるようにコクピットから飛び
降りる弦。着地、気を失った遮那を、肩で抱えている優の姿が映る。
弦 「優っ、手前!」
優 「おっと」
その弦に対し、遮那の落としたハンドガンを拾い、銃口を向ける。従性、
無表情に撃った優の銃弾が弦の頬を掠める。弦の頬に一直線に刻まれる銃創。
優 「…照準が合わない。さっきのパワーの逆流が、まだ身体に効いてる
のか」
弦 「優…手前、本気で撃ちやがったな」
流石に、驚きを隠せない弦。PAN! PAN! なおも撃ってくる優。
弦、横っ飛びに躱し、そのままダッシュで優に跳びかかろうとする。
が、傍らに支えている遮那の即頭部に銃口を向けなおす優。弦の足が止まる。
優 「ほお…」
意外な顔をする優。舌打ちし、一歩あとずさる弦。その表情に見える、
微かな焦りを見逃さず、薄く笑う優。
弦 「女ァ楯にするたぁ、ずいぶん落ちぶれたマネするようになった
じゃねえか」
優 「お前などが他人の心配をするとはな」
ふと、宙空に響く爆音。僅かに視線を陽が半分沈んでいる空に向けると、
その背の翼を広げた機動兵器が3機、こちらに向かってくるのが見える。
ICONの高機動型多肢兵器、餓空骸(ガクウガイ)だ。
遮那の乗ってきたヘリ、慌てて上昇をかけようとするが、そこに餓空骸の
背から放たれたミサイルが飛ぶ。一撃で宙に咲く爆発の大輪。
優 「…今、ICONに連れ戻される訳にはいかんな」
瞬間、遮那の身体を抱えたまま優の姿が消える。文字通り、弦の目前から
一瞬にして掻き消えたのだ。
弦 「な、なにィ!?」
優 「ここだ」その声の方向を向く弦。すでにこの場から遠く離れ、
穿たれたクレーターの縁あたりにその優の姿が見える。「追いつけるなら
ついて来い。お互い邪魔が入るのは面白くないだろう」
その声に宙を振り仰ぐ。既にかなり接近してきている三機の餓空骸。
弦 「くそっ!」
優の後を追い、駆け出す弦。
○"十字の檻"
藤 岡「先手を打たれた!」
指揮所、これまでヘリから実況されていた戦況の画像が、三機の餓空骸
からの攻撃を最後に途絶えたのを見て、コンソールを拳で叩く藤岡。
三 枝「しかし、弦君と敵パイロットがこの場から離れたのは確認できて
います」冷静に告げる三枝。「手傷を負ったとはいえ、どうせICONに
ザンサイバーの機体をどうこうは出来ません。それよりも…」
藤 岡「一刻も早く現地に飛び、二人を確保する、ですね。こちらの準備は
整っています」
言い残すと、さっさと三枝に背を向け、指揮所から出ようとする。ふと、
振り向く藤岡。
藤 岡「――三枝博士」
三 枝「仰りたいことは判っています。確かに作戦中にすることでは
ありませんから」
藤岡の視線の先にある、三枝の手の、先まで何者かとの私用通話に使って
いた携帯端末。ふう、と溜息を漏らす三枝。だが、その表情はどこか穏やか
である。
三 枝「弟ですの…二十歳も過ぎたというのに、いつまでも甘えん坊で」
○湾岸の街
先のザンサイバーとガイオーマの戦闘で既に住民のほとんどが避難した
市街地。津波のために完遂し、膝辺りまでの水深で水浸しになっている。
街中の電気もほとんど消え、月明かりだけが照らす夜の街、その屋根伝いに
駆け回る影。弦だ。
弦 「何処へ行きやがった?」商店街、アーケードの天蓋の上にて立ち
止まり、周囲を見渡す。「優の野郎、あいつと遊んでる暇なんか…」
ドクン――、
一瞬、強く撥ねる鼓動。は、と自分の左胸を抑える弦。
ドクン、ドクン――、
その動悸に、思わず膝を着く。額に汗が一条流れ、その顔色も多少青く
なっている。
立ち上がりかける。が、その脚がふらつき、アーケードの屋根上から巨大な
水溜りとなった路面に、派手に水柱を上げて転落する。
泥水の中から、げほ、と飲んだ水を吐きつつ、なんとか身を起こす弦。
弦 「そうだよ…暇も、時間も、ねえんだからよ…」
自分の左胸を掴み、握る潰すほどの力で握る。
苦しみに喘ぐ、頼りない自身の胸を叱咤するように。
○湾岸の街、役場の屋上
街でひときわ目立つ役場の建物。その屋上に立ち、闇に包まれた街を
見下ろしつつ、何かを待っているかの優。その傍らには、両手首を後ろに
縛られ、拘束された遮那がいる。
遮 那「仲間の到着を待っている、ようには見えないわね」
優 「僕が待っているのは、ザンサイバーに乗っていたあの化物です」
遮那のほうに振り向きもせず、苦笑交じりに応える。「ケダモノ並みに鼻が
効く奴のことだ。放っておいてもこちらの匂いを嗅ぎ付けてやってきますよ。
――不自由ですが、それまではその格好で我慢していてください」
遮 那「ずいぶんな言い草ね。仮にも、親友である彼に対して」
優 「…親友?」
遮 那「彼ね、君が死んだ物と思って、ずっとICONと戦ってきたわ…
君の仇を討とうとして」
その遮那の言葉に、哄笑する優。
優 「仇? 馬鹿げている。奴は他の誰かのためになど戦わない! 奴が
戦ってきたのは、ただ血に餓えていただけです。敵と戦い、敵を殺すことで、
自分の中にある破壊と戦いの衝動を満足させるためにね!」
遮 那「弦君が聞いたら…悲しむわね」
優 「弦?」その名を聞き、ふと、懐かしげな顔をする優。「そう、
ですね…弦なら…悲しみますね…僕がまさか、こんなことをしている
なんてね」
遮 那「君は…?」
ドォン!
唐突に、遠くの方向から爆音が響く。見ると、港の方向、夜の闇の中
そこの方角の空の一角が煌々と照らし出されているのが見える。断続的に
響く砲撃音。
遮 那「戦闘…?」
優 「乗り捨てたガイオーマとザンサイバー…その奪い合いが始まった
ようですね」
と、不意に片膝を着く優。一瞬、体から力が抜けたようにがく、と
倒れる。
遮 那「きみ――優君!」
と、優の元へ駆け寄る遮那。優の身体を起こし、その肩を支えてやる。
いつの間にか、その後ろ手の拘束は解かれている。
遮 那「大丈夫、しっかりしなさい」
優 「叶さん…その手」
遮 那「――ごめんなさいね、あの程度の拘束、外そうと思えばいつでも
外せたの。それより…」
優の掌の焼けた跡を見逃さない遮那。そこは操縦桿からのガイオーマの
エネルギーの逆流の直撃を受けた部分だ。そして、その傷口を凝視し、
驚きに目を見開く。
遮 那「そういうことだったのね――それじゃあ、君の身体は」
優 「流石は日本政府のエージェント…侮れない、な」真っ青な顔で、
微かに笑ってみせる優。「残念ながら…僕の身体も、完全じゃあない、か」
遮那の手を借り、なんとか身を起こす。
優 「ガイオーマから降り、あなたを人質に奴を引っ張り出したのは…」
絶え絶えな息で、言う。「ガイオーマに乗り、ザンサイバーごと奴を叩き潰す
にも…これ以上身体がガイオーマに耐えられるかどうか判らなかったので、ね」
遮 那「優君…」
優 「でも…まだ奴を…」両手を着き、立ち上がろうとする。「駆除する
ぐらいの力は…残っています…。どうです、このまま僕に協力して
くれますか? 叶さん」
遮 那「なにを――」
優 「だって…」
にやり、と笑う優。
優 「あなたの望みもまた、ザンサイバーの抹殺にあるはずだ――そう、
僕は見たんですよ。あの雪山で、弦と二人きりになって、あなたが、弦を
殺そうとしているのをね」
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