映画えっちほー9


「岸和田少年愚連隊 カオルちゃん 最強伝説 妖怪地獄」
「幕末太陽傳」
「キル・ビルVol.2」
「リーグ オブ レジェンド  時空を超えた戦い」
「タクシードライバー」
「怪談昇り竜」
「座頭市と用心棒」
「地獄」
「ザ・コア」
「コマンドー」


「岸和田少年愚連隊 カオルちゃん 最強伝説 妖怪地獄」

 遠い遠い昔、はるか彼方の西日本で…。

 その日、岸和田最強の番長カオルちゃんは(竹内 力)は朝から 燃えていた。岸和田に乗り込んできた四国の番長が果たし状を 叩きつけてきたのだ。朝メシもしっかり喰って、いざ決闘に挑まんとする カオルちゃんだったが、果たし状で決闘場所を再確認しようとした時、 ついつい見つけてしまった、自分が幼い頃クレヨンで描いた 「ようかいにっき」…。わっしらの世代で言えば手書きの「ウルトラ 怪獣図鑑」か、今どきの子供で言えばゲームボーイアドバンスに コンプリートした「ポケモン図鑑」か、懐かしさに顔を緩めついつい 熟読するカオルちゃん。だが、そこには見逃すことの出来ない一文が… 「てんぐやまのてんぐ めちゃつよい」。 強いじゃとー!? ウルトラ 怪獣ならゼットン級か? 初期ポケモン151匹の中ならリザードン級か?  ともあれ「強いとか言われとるヤツがおる→ 許せん→しばき倒す」という番長ロジックの元、カオルちゃんの 闘争本能が点火した! 「天狗のガキ、ワシがしばき倒したる!」と、 近所の天狗山へと駆け出すカオルちゃん!(四国の番長は!?)

 一方、自称カオルちゃんの永遠のライバル、イサミ(山口祥行)は いい儲け話をキャッチしていた。最近天狗山でしばしば目撃される 人食いカッパ、その世紀の大発見を生け捕りにすれば、言い値でウッハウハ ! さっそく情報源の親父から投網、ザル、キュウリなどカッパ捕獲グッズ を3万円で購入し、天狗山へと向かうイサミ。

 その人食いカッパの話をこれまた聞いた、カオルちゃんを付け狙う おバカ不良倉本(田口トモロヲ!)は、カオルちゃんとカッパを エンカウントさせ、カオルちゃんがビビって腰抜かしたところを 背後から強襲しようと、これまた天狗山へと走る!

 日頃カオルちゃんに痛い目に遭わされる地元ヤクザ、島田組の面々も 天狗山へと向かっていた。神戸の大手ヤクザからの借金のカタに、工場 廃棄物の不法投棄を仰せつかっていたのだ。原口智生が造形したカッパ の衣装で山に近付く者を人払いし、額に汗して工場廃液の不法投棄に 勤しむ島田組の面々。だが、天狗しばき倒す手始めにカッパと戦おうと 乱入してくるカオルちゃん! その騒動の中、岸和田城主の怨霊が 封印された石碑がぶっ倒れてしまった…!

 いやこれがまた…ここまで紹介したとおり、普通にプロットが 見事に構築されているのも賞賛モノながら、内容もこれまた爆笑モノ!  妖怪だろうが超常現象だろうが例のごとく、イナタいギターの テーマ曲を背に 「ワシより強いヤツに会いに行く」番長スタイルでケンカを 売り続けるカオルちゃんのキャラの爽快さと、日本一の感動番組の ナレーションも忘れて怪演しまくる田口トモロヲがもう素晴らしすぎ (日本兵の怨霊に取り付かれた姿は必見)! 「番長足球」もそうだった けど、ともかくもうこの「なんでもあり」のサービスの徹底ぶりとか、 観客をなにがなんでも笑わせたるという姿勢はマジ嬉しい。見てる だけでむやみに元気が湧いてくるバカ映画(Vシネだけど)、日頃 レンタル屋でアニメのコーナーしかじっくり棚を見ない人種の方々にも 熱烈にお勧めします。金髪に作業服の兄ちゃんやおっちゃんがタムロ ってるような棚にも、こんなにバカ面白いVシネが待っているんだぜ!

 天狗山の怨霊をもしばき倒し、もはや人間界にも悪霊界にも敵が いなくなったカオルちゃんの次なる戦いは…予告によると、「番長 足球」冒頭で触れられた、 「男泣き全国制覇編」だッ! 全国津々浦々に待ち受ける、548 人の番長ファイター達。最強の番長ファイター全国総番の名を我がものに せんと、みなさんお待ちかねー、ついに番長ファイトの幕が上がる…!  ぐわっ、早く見てー! リリース及びレンタル開始のその日を楽しみに 待っております。(2004年4月現在)


「幕末太陽傳」

「CLANNAD」買ったのにウチのパソコンにゃDVDドライブ付いてないので 遊べない男の傷心ハートブレイク鑑賞。いえ単に「CLANNAD」の発売日に 衛星映画劇場で放映された映画です(すんまそん)。

 これまた日本映画の名画と既に称されている映画、いつか見ようと 思っていた一本でもあります。見てみると、品川宿を舞台に主人公、 居残り左平次(フランキー堺)を取り巻く人間模様といった物語で ありますが、遊び人でもある主人公の、口からデマカセ出放題、 手間もかからず元手もいらず、口八丁手八丁を駆使したサクセス 喜劇というスタイルは後の植木等の「無責任」シリーズを彷彿させると いうか。劇中侍相手に「あんたらは百姓の稼いだ金で喰って いけるが、俺たちゃ庶民は自分の頭ひとつで喰ってかなきゃならねえんだ」 とタンカを切るシーンなど、左平次をヒーローとして描きつつ 故・川島雄三監督による徹底的な庶民 視点が観客の感情移入を誘うです。

 異人館爆破を企むテロリスト高杉晋作(石原裕次郎)との奇妙な友情 とか、今となってはキャスティング的な魅力もまた光る映画。しかし 圧巻なのは、やはり「嘘吐きは地獄に堕ちるぞ!」と糾弾されつつ、 それでも「生きる」ために走り去っていく左平次の背中を映したラスト シーンでしょうか。その身を病に冒されつつ、それでも「生」への執着 を胸に不貞不貞しくも走り去っていく背中がどこまでも印象的というか、 これもまた自分の中で大切にしたい映画であります。


「キル・ビルVol.2」

 ハイハイハイハイ見てきましたよ。「Vol.1」のDVDに封入されてた 特別割引券を持って(笑)。

 前作が黄色いトラックスーツ姿のヒロインをアイコンに、ある意味 お祭り騒ぎ的な要素の高い傑出エンターティメントに徹していたのに 対し、今回は派手な立ち回りが決して多い訳でない、情感的な演出が 前面に出た作劇となっています。「前作と合わせて元は一本の映画として 撮っていた」というコメントが嘘だろうと思えるほどに(苦笑)。
 まあ、前作が主人公ザ・ブライドの復讐の起爆と捉えるならば、 主人公の怒りを前面に押し出したかの東京での大剣劇は、復讐相手に 対する最大の宣戦布告としてのインパクトに溢れております。

 もちろん、前作に比べて地味すぎるという批判も働くのですが (「ウイークエンダー」のテーマ曲は健在/笑)、 それは最後の対決、残る最後の復讐対象、ビルとの対峙にて、実は この映画が「ごく当たり前な、男女間の感情のもつれから始まった悲劇 を描いたラブストーリー」だったことが明かされたことで、物語は 単調にて安易な復讐劇では許されなくなる。

 生きていた愛娘との再会。母親であることを奪われたことに起因する 復讐のアイデンティティーを喪失する瞬間。それでも、 互いが互いを愛している限り、決着だけは 着けなければならない。

 なんとも前作とは違った意味での重すぎる圧倒感を持つ映画であると 共に、 観客の、映画を見るために必要なあらゆる感受性に訴える映画 でもあります。「映画をいっぱい見てる奴のための映画」という 特権意識という訳でもないのですが、ただこの「キル・ビル」という 映画を見る前に、幾つか見るべき映画は絶対ある。そんな風にも思う 訳です。

 ビル役デビッド・キャラダインはやっぱりジャンル・ムービーが 似合う(「デス・レース2000年」そのうち再見しよー)とか、青いロング スカートに革ジャン、半蔵ブレードというスタイルで最終決戦に挑む ザ・ブライドの服のセンスとかイロイロ見所もあるけれど(苦笑)、 正直に言えばエンターティメント性が半減した分「Vol.1」ほどの 見応えは決して感じなかった。それでも「Vol.1」で呈示された復讐劇の 顛末としては、完璧な終わり方をしたのかなとも(大真面目な映画として 作られたのかなと思いつつ、ザ・ブライドのビルに対する最後の技は 必見…/含笑)。

 さて今回の劇場ウォッチング。ちょうど「Vol.1」がビデオレンタル されたばかりというタイミングのためか、前作の血飛沫 エンターティメントぶりを期待したかカップル客がやたら多い (なんとなく怒)。しかし映画が終わる頃、一様につまらなそうに 座席から立つ姿にまたも内心ニヤリ。やっぱりエンドロールでの 「怨み節」は聞かずに次々と出ていくでやんの。「Vol.1」のときも そうだったけど、「キル・ビル」ってとことん流行り物に群がる タイプの観客を徹底的に裏切る映画であります。


「リーグ オブ レジェンド  時空を超えた戦い」

「ソロモン王の秘宝」のアラン・クォーターメイン、「ドラキュラ」の ミナ・ハーカー、「海底二万里」のネモ船長、「ジキル博士とハイド氏」 のジキル博士に「ドリアン・グレイの肖像」のドリアン・グレイ。 そして我々日本人には野沢雅子の声が思い浮かぶトム・ソーヤーと、 19世紀末を舞台に西洋文学のヒーロー 達が「超人紳士同盟」を結成し、世界を危機に陥れる悪に敢然と戦いを 挑む…って、 いやはやアメコミの共演ものテイストというか「スーパーロボット大戦」 の西洋文学版というか(笑)。
 ショーン・コネリー演じるアラン・ クォーターメインからして日本になじみの薄いヒーローなのでどうしても ネモ船長を始めとする脇役達の活躍に目が行くんですが、超人ハルク ばりのハイド氏に、インド王家の血筋という設定が初めて生かされた ネモ船長とノーチラス号のビジュアルなど、ハリウッド映画らしい エンターティメントさは堪能できる映画です。
 個人的にこの映画の見所は、青年に成長したトム・ソーヤーと老 アラン・クォーターメインの疑似親子的な関係…ショーン・コネリーの かっこええお父っつぁんぶりをまた堪能できる映画ですと。ちなみに 他のメンバーに比べて圧倒的にただの人であるはずのアラン・ クォーターメインの「超人紳士同盟」としての特殊能力は、映画の オーラスで明らかにされますです(含笑)。


「タクシードライバー」

 20代の頃にこの映画を見た時、カーテンレールから改造した 袖口に仕込む22口径のスライドレールに激しく憧れを憶えると同時、 女の子と初めてのデートで見に行く映画にエロ映画 選んじゃいけないよね というのを痛感するほどに勉強しました。
 30代になった今見直すと、風俗行って店の お姉ちゃんに説教するなんてみっともないよね というのを痛々しくも感じました(「ガドガード」の16話 でも同じことが言えるが)。
 また10年ぐらいしてから見返すと、今度はどんな発見があるのか とか思いますが、何故か何度見ても 毎日腕立てと腹筋しようという気にはならない…やっぱり ラストで、主人公トラヴィスが結果的にヒーロー扱いで、 自分をフッた女まで見返す というのがカラー的に気に食わないからかね? でも 自分のお手柄記事の切り抜きを部屋に貼ってる 気持ちはすごーく共感(にやり)。
 決して熱狂的に好きって訳でもないけど、またいずれ、ふいに 見たくなってレンタル屋に借りに行く。自分にとってはそんな映画 であります。


「怪談昇り竜」

 日本最凶のアウトローヒロイン、梶芽衣子と僕らの石井輝男監督が 手を組んだ! このお二人のタッグというだけで 面白くないわけがないのですが、そこに共演、「仕事に堅い男」 佐藤 允兄貴のギラギラした男前っぷりが加味されるのですから、 こりゃもーたまらんですハイ。

 渡世の義理により、子分を引き連れ敵対する組に殴り込みを仕掛ける 梶芽衣子(柔肌に映える昇り竜の入れ墨が眩しすぎ)。だが、ついに 組長にドスを振るったその時、間に入った組長の妹ホキ徳田の目を 誤って斬ってしまう。そして、ホキ徳田の傷から散った鮮血を啜り舐める、 ホキ徳田が可愛がっていた黒猫…(この辺が怪談要素)。
 そして3年間臭い飯を喰って出所した梶芽衣子は自分の擁する 組に戻り、客分に佐藤 允兄貴を迎えるも、黒猫の呪いに祟られた 組員達が次々と謎の怪死を遂げ、さらに新たに台頭してきた組が 梶芽衣子の組の庭場を狙い次々と卑劣な手段を仕掛けてくる。 ついに梶芽衣子の怒りが爆発だ! 敵組に佐藤 允兄貴共々 殴り込みを仕掛ける梶芽衣子。にっくき敵組長に佐藤 允兄貴 怒りのドスが決まったのもつかの間、梶芽衣子の前に立ちはだかる、 実は敵組を影から支えていた怨みの呪術アサシン、ホキ徳田−−!

 普通に義理と渡世の任侠ものに、無茶に怪談要素をプラスさせた 怪作なれど、流石にアンダーグラウンドなビジュアルが大好きな 石井輝男。梶芽衣子が子分の女侠客と5人並ぶと、背中に完成する 雄々しい昇り竜の入れ墨や(戦隊ヒーローかよ)、次々と 黒猫の呪いによって命を奪われていくヤクザ達の残酷死描写、 阿片漬けにされた女達の退廃的にして扇情的な地下の 女郎部屋など、悪趣味さとエンタティメントさが渾然一体となった 面白さを堪能させてくれます。もちろん佐藤 允兄貴のギラギラした 男前っぷりも含めて(はあと)。
 んで、ここまでくればオチは当然梶芽衣子のドス裁きVSホキ徳田の 暗殺呪術による異種格闘戦になると思いきや…これまた当然石井輝男、 思わずニヤリと来るオチが待ちかまえているというか、いやあ、 見終わった後には主題歌が気持ちよく脳内でリフレインするですよ。 任侠映画好きの人にも悪趣味映画好きの人にもまとめてお勧め。 ともあれ合い言葉は

佐藤 允兄貴はいい男

です(にっこり)。


「座頭市と用心棒」

 何年か前のこと、リンク先「蘭亭戦闘メカ研究所」代表 蘭亭紅男スーパー特殊映像監督と、秋葉原の某クス を冷やかしていた時でございます。
「わたなべさん知ってます? 座頭市対用心棒なんて映画があるの」
「はあ? なんですかそりゃ」
「いや本当にあるんですよ。座頭市は当然勝新で、用心棒は本家 三船敏郎で…」
「はっはっは、まっさかー」

 蘭亭カントクすみませんでした。

 そういうことでやっと本編のビデオを、いつもの地元の、旧作の品揃え がいいビデオ屋「ビデオ1」で発見しさっそく見てみましたです。 監督は岡本喜八。ハイ当然登場人物達がどいつもこいつもギラギラ しまくりです(にっこり)。
 血を血で洗う己が業に嫌気が差した市は、懐かしい思い出のある 寒村へと足を向けた。ところが里では隠された金ののべ棒を巡り、 ヤクザと悪徳商人の二大陣営が睨み合ってるまさに真っ最中。ヤクザ 側に雇われた用心棒は、百両で市の抹殺を請け負うが…。

 互いに「けだもの」、「化け物」と呼び合う市と用心棒のライバル 関係もさることながら、キャラクターがどいつもこいつも(主役 二人も含めて)欲の皮を突っ張らせて暴れ回る様はやっぱり 岡本喜八作品。そしてなんてっても、二人の間に割ってはいる公儀隠密、 九頭竜(岸田 森!)の存在感が良すぎ! 仕込みに大太刀という 主役二人の得物に比べて、武器が短筒というスマートな殺人道具 というあたりもやっぱり岸田 森。いやあ、お知り合いの方から 紹介していただいた映画を見たら、思わぬ拾い物をしてしまったと いうのが正直なところであります。時代劇映画のヒーロー二人の 夢の共演が、ほとんど岸田 森にもってかれてしまったです( 自分の中では)。

 さて、やっぱり映画のクライマックスは市と用心棒の決闘に なるんですけど、一応ネタバラシします。玉虫色です。しかし、 互いを怪物呼ばわりしつついっぱしの悪党として立ち振る舞う主役 二人の活躍の様は本当に痛快。マヂ面白かったというか、 改めて紹介していただいた蘭亭カントクに感謝であります。


「地獄」(60年、新東宝)

 WOWOWにて鑑賞。またもや新東宝映画です。主役は当然天知 茂です。
 悪友とドライブの最中、誤って酔っぱらったヤクザをひき逃げで 死なせてしまった天知 茂。罪の意識に苛まれ、婚約者とともに 警察に自首しようとタクシーに乗り込むが、今度はタクシーが 事故って婚約者が死亡。傷心の天知に追い打ちをかけるように、 田舎の母親の病状が悪化したとの知らせが…。田舎に帰った 天知 茂の前に、今度は轢き殺したヤクザの女が復讐のために 立ちはだかる! しかしわざとらしく吊り橋の上になんか呼び出した もんだから、女はわざとらしく足を踏み外して死亡。一部始終を 見ていたひき逃げの共犯の悪友も仲良く吊り橋の上から落下。 さらについでに死んだ婚約者の両親まで列車に飛び込んで自殺してしまい、 もはや人生のどん底に追い込まれた天知の前に次に現れたのは、今度は ヤクザの母親…。因果応報が巡りに巡り、やっとのことで首絞められて 一巻の終わりを迎えた天知の目前に広がるのは、渡辺宙明の音楽が ヘビーに響く、亡者がもがき苦しむ地獄のスペクタクル絵図だった…!

 …ここまで来るのに長かった(汗)。とにかくここからが映画の主題 というか、他にも登場していた誤診医師、悪徳刑事、嘘吐き記者と いったキャラクターたちが、肉体をノコギリ刑でガリガリされたり刃物で 両腕切断刑されたり舌をグシャッと切り裂かれたり胴体から首を引き ちぎられたりと、流血絶叫悪趣味グログロのスプラッタ映像が満載です!
 さすがに主役というか、天知は天知でそいつらの受ける無限責め苦 の様を横目に、実は地獄に墜ちていてしまった婚約者と、婚約者が 生前孕んでいた我が子の姿を求めて奔走する…。まあさすがに天知 茂 にスプラッタ責め苦を負わせる訳にはいかなかったんでしょうけど。

 前にも紹介した「地帯(ライン)シリーズ」も含めて、新東宝ってのは 観客の野次馬根性ニーズに応えた、エロとグロに特化した映画会社 だったってのがよく判る、 非常に頼もしい映画会社だったのだなあと思うです。まあ 宇津井健の「スーパージャイアンツ」なんてのも作ってるんですが (含笑)。こういう大衆に最も近い位置にいる クリエイターの集まった映画会社が既に無いというのは なんとも寂しいというか、また新東宝映画を見れる機会がどこかであると いいなあ。


「ザ・コア」

 普通にハリウッド大作パニック映画です。
 地震兵器の実験のせいで、地球の核の対流が止まったぞ! ペース メーカー付けてる人は一斉にバタバタ死に、電磁波の遮断壁が破れて 太陽光線はチョクで西海岸を壊滅させ、鳥は方向感覚失ってバタバタと 、文字通り飛ぶ鳥を落とす勢いで 地球が壊滅してくぞ! 地球の核に核弾頭撃ち込んで 対流を再び動かすため、地底戦車バージル号出動だ!

 と、公開前から素人目にも「そんなアホな!?」という科学的トンデモ 考証で大いに賑わしてくれた映画でしたが、見てみると地底戦車クルー 達の対立と友情、ひとり、またひとりと貴い犠牲が重ねられ、 それでも失われた仲間達の願いのために、作戦の成功にかけるメンバー 達と、意外なまでに侠気全開ぶりが目立つ普通におもろい映画でありま した。
 地球の中心に突っ込んでいく熱い映画には熱い脚本が似合うというか、 科学的考証のデタラメさが物語の熱さでカバーされてるあたりは なかなか。ただし、この映画には絶対的に間違っている部分がひとつ あって、それだけは絶対許せません。

土ん中潜っていく乗り物にドリルがついてないのは 間違い過ぎるだろう!(怒)


「コマンドー」

 いわゆるシュワルツェネッガー映画の中で、たぶん自分が普通に一番 好きな映画です。
 2、3年に一度は必ずテレビで放映されてる お茶の間の定番とも呼べる映画なんですが、数あるシュワちゃん 映画の中でも、こうも自分を含む視聴者に愛される理由はなんなので しょうか? やっぱりストーリーが、子供でもすぐ理解できるぐらい 単純明快なのと、まだ筋肉が輝いてた頃のシュワちゃんの肉体から 迸る強烈なアクションなど、見ていて普通にワクワクして普通に かっこいい。ぶっちゃけ自分らみたいなシュワちゃん映画をリアルタイムで 見ていた世代より若い世代にもシュワちゃんの知名度が浸透しているのは、 この映画がテレビで繰り返し放映されていたことも大きいかなとも 思うです。
 ところでまた3年ぶりぐらいに見ていて、この映画に影響された 映画で一番新しいのはなにかなとか考えてみたら、「劇場版 仮面ライダーアギト」が思いついてしまった(苦笑)。



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