映画えっちほー4


「スタートレック/ネメシス」
「インビジブル」
「最終絶叫計画」
「ガメラ対大魔獣ジャイガー」
「仮面ライダー555(ファイズ) パラダイス・ロスト」
「爆竜戦隊アバレンジャーDELUXE アバレサマーはキンキン中!」
「スパイダーマン」
「マトリックス」
「マトリックス・リローデッド」
「アニマトリックス」


「スタートレック/ネメシス」

 レンタルで借りて来ました。 もちろんテレビシリーズ「新スタートレック」のファンとしては 吹替版でです。
 映画の縦糸はビカードとそのクローン、シンゾンとの自己の確立を賭けた 対立になるんだろうけど、やはり注目すべくはラスト、ピカードの危機を 救うため、ジャイアントロボのように自ら犠牲となって宇宙に散った データ…。いやあながちデータ=ジャイアントロボ説というのは捨てがたい物が あって、まずどちらも無感情でやや無愛想な点と(さすがにデータは 「マッシ」とは言わんが/笑)、分身たる宿敵に悩まされる点。 ロボは同じくBF団の 作った同型機GR2と、データもまた、テレビシリーズ「新スタートレック」 において同じスン博士によって作られた兄弟機ロアと度々対立することと なる。 今回の映画に登場するB−4も、シンゾンが エンタープライズに送り込んだデータと同型のスパイ用アンドロイド… いわばレプリカ機であり、同様の存在としてとしてカテゴライズするなら、 やはりジャイアントロボのレプリカ機、カラミティとほぼ同じ存在と 言えないか(笑)?

 そして、やはり最大の特筆点は、自らに指令を下す存在、その周囲の人々 との交流において…その人工知能が“人間性と友情”を学び、成長していった あたりは、この二機のロボットがその存在感を大きく同じとするところでは ないか? 人間を学び、友情を育み、いつの間にか周囲の人々に心からの 仲間として…“同じ人間として”迎え入れられた彼等は、友人達の危機を 前に、彼等のために自らを犠牲とする道を選ぶのだ。出会った多くの人々が くれた、悲しいまでに誇り高い勇気を持って。
 番組の中で、機械であるジャイアントロボが、 大作少年との交流によって成長していく 様を描いたという平山亨プロデューサーの志は、世紀も国境も越えて 受け継がれていたのだなと物凄く感心。そう、「新スタートレック」とは、 「ネメシス」を最終回とする15年のロングランに及ぶ「ジャイアントロボSPIRITS」 だったのだ! イヤ割と本気で(苦笑)。

 映画のラスト、ピカードからデータの記憶を託されたB−4が(劇中、 データ自らがB−4を自分同様の存在とするべく自らの記憶をコピーする 場面があるんだけど…絶対今後データを復活させるための布石だな/笑)、 映画の冒頭、データがライカーとトロイの結婚式のために披露した歌「 ブルー・スカイ」を辿々しくも歌うシーンがあって…「新スタトレ」ファン としては、このデータ役声優大塚芳忠氏の、わざわざ辿々しく歌う 歌声に、もしかしたら今後この「新スタートレック」のメンバーでの 映画は見れないかも知れないという不確かな予感、15年間画面越しに その成長の様を視聴者として見守ってきたデータの“本当の最期” かも知れないという予感に涙するのだ。


「インビジブル」

「日曜洋画劇場」枠にて鑑賞。 もし透明人間になれたら、果たしてなにを成すべきか?  エロに決まってるじゃねえか!

 そういうことで、「ロボコップ」、「スターシップ・トルーパーズ」 でその悪趣味ぶりを世界に知らしめたポール・バーホーベン監督の 良すぎる透明人間映画です(笑)。透明人間になってナニをどうしたい というのは世界中すべての男児の夢で、その様を余すことなく描いたという 意味では非常にまっとうな透明人間映画。ただ、自分にとっての最高の 透明人間映画は、実は 「ケンタッキー・フライド・ムービー」 に入ってたギャグ短編のほう。 いやアレは素晴らしかった。SFXもCGも使わなくても、 衝撃的にてインパクト抜群な透明人間映画は作れるという素晴らしい好例 (含笑)。

 …ところでこの映画、透明人間モノ映画としての野心作ながら、 残念ながら長年のタブーにはやはり触れられてなかった。 透明人間が食べ物喰ったらどうなるのかってこと。
 オシッコしたくなったら股間のあたりの空間が黄色く滲んでくるのか?  いやそもそも身体から出る老廃物まで透明になってしまうのか??  子供みたいなコトで悩んで愚民なさい(泣)。


「最終絶叫計画」

「スクリーム」ってホラー映画のパロディー映画です。元の「スクリーム」 は昔見たことあるんで、元ネタに困ることなく、元の映画の展開に 概ね忠実に話は進んでいくのですが…、

 パロディー映画として作っていて、元の映画見た 観客が見て、全然笑えるところが無く腹立たしい出来というのは完全な 失敗作だろ。

 元の映画、「スクリーム」自体も過去のホラー映画のパターンを寄せ 集めて茶化すというある意味パロディー的な作りの映画だったけど… 少なくとも「スクリーム」作ったスタッフは、「最終絶叫計画」作った 奴らをグーで殴っていいです。


「ガメラ対大魔獣ジャイガー」

 今年(2003年)、太陽の塔33年ぶりに内部公開中記念ということで 再見しました。当時の大阪万博の開催意義とかを紹介したプロモーション 映画としては、実は 「クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲」 よりコレが一番秀逸なフィルム(笑)。ただし、対戦相手の ジャイガーが大映怪獣中イチバンのブサイクだった(爆笑)。

 内容的にも、ある意味ガメラらしいといえばガメラらしいんだけど、 真面目な大人がやたら「子供の純粋さがうんたらかんたら」とか 抜かしまくってるのが、普通に働いてるイイ年した大人からすると 鼻につきすぎるというか…。「ガメラは子供の味方」という設定を ふまえた上で一番、怪獣に立ち向かう大人達とガメラに擁護される 子供達とのバランスがいいのは、やっぱり「ガメラ対ギャオス」 なんだなってのを改めて確認。

 ただ、やっぱりガメラ映画として普通に見ていてグッ、と拳を固める シーンはあって…。ウェスター島での初戦にてジャイガーの唾液固形 ミサイルに四肢を大地に磔にされ、身動きが出来なくなるガメラ。 その間にもジャイガーは大阪に上陸して暴れ回る。助けを求めガメラを 呼ぶ子供達の声。その、子供達の呼ぶ声と前後して挿入される、 血まみれになりつつ必死に四肢に刺さった唾液固形ミサイルを引き抜く ガメラのカット。遠く日本から、ウェスター島に届くはずもない 子供達の声。だが、自分を信じてくれる幼い心の呼び声に、 必死に応えようとするガメラのヒロイズムがひしひしと伝わってくる 良シーン。
 こうした情景の演出が、平成ガメラにも少なからず残っていると 思うんだけど…平成版を圧倒的に支持するファンからは鼻で 笑われるんだろうか(苦笑)。


「仮面ライダー555(ファイズ) パラダイス・ロスト」
「爆竜戦隊アバレンジャーDELUXE アバレサマーはキンキン中!」

 二本立てなのでまとめて感想。

「555」
 村上社長の更に上に立ってる、スマートブレイン社のお偉方三人様 (納谷悟朗氏、加藤精三氏、飯塚昭三氏が それぞれナマ顔出演!)最高! テレビよりも根性悪度三割増の 仮面ライダーカイザ=草加も良し。あと警視庁の北条ならぬ琢磨= センチビートオルフェノクにもぜひ出て欲しかった…劇中の 新ライダー、サイガのかませ犬になる役どころとかで(笑)。
「北斗の拳」や「マッドマックス2」っぽい世界観と思いつつ鑑賞に 臨んだのですが、寄り添って追いつめられる側になっている人間達の、 個々のエゴを抉りだしていく作風はやっぱり 井上敏樹脚本。それにしても、木場が変身する仮面ライダー オーガは格好良すぎだなあ。テレビでもアナザーアギトや オルタナティブ・ゼロの役割で出てきてくれんかなとか夢想してしまった。

 ともあれ日頃毎週番組を見ている視聴者としては、「555」の テレビ版と独立した世界観での物語は、クライマックスの1万人オルフェノク のカタルシスと並んで(正直肩すかしでも あったんだけど…オルフェノクの一員として参加した方がいたら失礼)、 結構面白く見れたです。実は一番印象的なのは、パンフレットに 載ってた海堂=スネークオルフェノク役唐橋充氏のコメント「この 作品は世界で本当に戦争が起きているさなかに進められたプロジェクト です」…。このコメントを意識しながら見ると、結構中に入っていける 映画であります。

「アバレンジャー」
 例によって、日本一のオタ系ダメ人間脚本家 荒川稔久(オレ承認)の、「若い頃女に徹底的に嘲笑 されながらフラれたトラウマを、日本中の子供達にも味あわせてやる!」 怨念叩きつけのストーリーなので(こいつの書く脚本、10 年ぐらい前からいつもこう)、チョイ役客演の元祖 アカレンジャーこと誠直也氏(円谷ファンにとってはファイヤーマン ですが)が嬉しかったぐらい。
 でもCGによるロボ戦の迫力ある画作りは、劇場の大画面ということも あって、結構感心しながら見てしまいました。いえ本来は特撮への CG否定派なんですけど(笑)、こうして画面のダイナミズムを生かす 方向に使われるなら新しい技術は決して否定対象とはならないはず。 このロボ戦のクライマックスだけは一見の価値ありです。もちろん 劇場の大画面で(アバレンオーは買う気無くて 買ってないのに、この映画だけの悪役ロボ、バクレンオーの超合金は しっかりゲットしてしまったです…よっしゃ)。


「スパイダーマン」

 タンカー、石油コンビナートを次々と攻撃し、日本の石油網の 寸断を企むモンスター教授(安藤三男)率いる鉄十字軍! インターポール 秘密情報部捜査官、間宮重三(仲谷 昇)はスパイダーマン=山城拓也と 手を組み、鉄十字軍の野望を打ち砕くべく行動を開始する! 海に( 結構アクション場面が映える船上ロケ)、空に(ヘリによる空撮)展開する 大攻防戦! チェンジ・レオパルドン! アバレンオーより格好いいぞ、 がんばれレオパルドン! 負けるなスパイダーマン!
 同時上映「長靴をはいた猫」、「宇宙海賊キャプテンハーロック/ アルカディア号の謎」、「キャンディ・キャンディの夏休み」、 「宇宙からのメッセージ 銀河大戦」。

全力でわかりやすくボケてすんまそん。

 そういうことで、WOWOWでの放映で鑑賞したサム・ライミ監督版です。 事前の予告映像で、摩天楼を自在に蜘蛛の糸で飛び回るスパイダーマンの 映像はさんざ見尽くしていたので、自分にとってのこの映画の評価基準は、 東映版のEDテーマ「誓いのバラード」(名曲)が 映像から聞こえてくるかどうかということ。

 元々スパイダーマン ってのはヘビーなバックボーンを背負ったヒーローなので、それが 果たしてハリウッド映画の脳天気さに組み込まれてどうなってしまうか?  自分の身勝手さが結果的に家族を死に追いやってしまう、ピーター・ パーカーのトラウマをキチッと描いたのはよし。スパイダー・パワーを 得て、とりあえず学校でイジメっ子に逆襲するあたりは…世界共通の ヲタの夢として許容範囲(笑)。

 敵役グリーン・ゴブリンとのいかにもハリウッド映画的な決戦を経て、 そして親友の父(ゴブリンの正体)の葬儀の日、ピーターに訪れる 決断の時…。

 ここで、確かに「誓いのバラード」が聞こえました。

 そういうことで、ハリウッド映画に対しては珍しく、自分の中ではこの サム・ライミ版は好印象です。
(それにしてもキルステン・ダンスト演じるメリー・ジェーンは 本当にロクでもねえ女だな。サム・ライミは絶対 自分が昔フラれた女をモデルにキャラクターを設定してるよな /笑)

 ところで東映版の権利って、今どうなってんだろ? ちなみに東映 まんがまつり版は本当に昭和53年当時、今は潰れて飲み屋の 駐車場になった地元の劇場で見ました。「長靴をはいた猫」が 文部省推薦だったんで、学校で券配ってたのよ。


「マトリックス」

 今や世界共通の名画と化してしまった観もある 巨額の予算を賭けた圧倒的ヲタ映画ですが、やっぱり 「こんなはずじゃなかった」と思いながら現実をフラフラ生きる 人間にとって、本当に救済と同時輝いて見える映画の一本。 もちろん、家族が いる身としては赤いクスリ、青いクスリのどちらかを選択するとしたら、 ちょっとだけ躊躇して青いクスリ 選ぶんだろうけど(苦笑)。

 自分にとってのこの映画のキモは、誰がなんと言おうと 地平線まで続く武器庫。 これほど画像的に明確な破壊衝動を表現した云々とかじゃなくて、 この武器庫の武器全部使ってガーッとやっちまいてえ! ってのは、この映画を見たヲタ全ての羨望です(含笑)。


「マトリックス・リローデッド」

 禅問答的な哲学談義と、前作を凌ぐアクションが交互に挿入されてますが、 そのアンバランスな内容差が休む間もなく観客に叩きつけられてくる 様は実際圧巻です。「マトリックス」が 嫌いになるほどに(笑)

 しかし、考えようによっては、映画の宣伝CMでありがちな、映画 見終わった後のパンピー観客どもが「おもしろかったー」、「サイコー」、 「感動しましたー」とか抜かしてるようなやつで、「じゃあどんな映画 だったの?」と質問してやったら奴等はどう答えるか(含笑)? なにげに ダメ映画ヲタが、流行り物に群がるパンピー共に対してちょっとだけ 優越感に浸れる映画かも。

 あ、ハカイダー格に成り上がっているエージェント・スミス は良し。百人エージェント・スミスはまるでバラエティー番組の 群衆ネタみたいで笑うしかなかったが。
(あと、いきなり台所や公園でネオにおばあちゃんの知恵を授けてたような 予言者役、グロリア・フォスターは「レボリューションズ」撮影後に 亡くなられたそうで…ご冥福お祈りします。)


「アニマトリックス」

 オムニバズ形式のアニメながら、コレだけ実写の、冒頭のいかつい 黒人VSえちい和服姿のねーちゃんの脱がし合いブレードバトルで つかみはオッケーです(笑)。「マトリックス」を二回以上見てないと どんなんだかサッパリ判らない内容ばかりというか、個人的には 東京を舞台に 「ウルトラQ」の味わいを見せる「BEYOND」と、 ある意味一番趣味の世界の「DETECTIVE SYORY」 あたりが好き。
 ちなみに、映像面での感想を期待してもムダです。わっしCG映像の 技術については「おもしろかったー」、「サイコー」、 「感動しましたー」ぐらいしか言えんよ(泣)。



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