2003年9月


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03年9月1日(月)

 朝は1時間早起きして読む時間を作り、昼休みは弁当を5分で喰って その分読書時間に費やし、月初めというのに仕事を定時で終わらせて早く家に 帰って読書時間を作り、「陰摩羅鬼の瑕(京極夏彦)」、読了です。

「さあ、お待ち兼ねの時間だ! 僕は−−復活したぞ!」
 ああ、今回は最初っから出ずっぱりの割に榎木津の活躍が少ないっ(泣)!  黒眼鏡姿でメイドを傍らにはべらせるという図がこれほど似合う探偵は、 日本で榎木津だけだ。今回も例によって儒教だの林羅山だのハイデッガーだの の難解系ネタが 目白押しですが、大丈夫、ハイデッガー勉強しなくても充分面白いです( 勉強すれば更に面白くなるんだろうけど)。
 昨日「姑獲鳥の夏」の原点回帰 かとか拙い感想を書きましたが、どうやらシリーズの狂言回し的役割の 関口の、「姑獲鳥〜」以来の救済を描いた話とするならあながち間違いで ないかも。徹底的に自分に自信の持てない、対人恐怖症の 鬱病持ちという関口のキャラは、 実は多くの読書好きにとっては感情移入抜群のキャラクターで(苦笑)、 その胸の内を微塵に粉砕する榎木津と、再構成を受け持つ京極堂との 掛け合いや関係の構図が言うまでもないこのシリーズの魅力の一端であります。

 毎回読んでて巧いなと思うのは、妖怪の存在を絡めた不可思議な事件を 扱ったシリーズながら、最終的に辿り着くのは「地に足が着く現実への回帰」 という一貫したテーマを貫いていることで…実は毎回の犯人同様関口もまた 自身の現状を憐れんで 現実に目を背けようとする逃避者に過ぎないし、京極堂の役目は“探偵役” としてでなく“引率者”として物語に決着を着けることなんですな。その 逃避者たちの世界を解体し、現実という辛い世界に立たせてしまうことが “憑物落とし”という行為になる訳ですが…。

 現実を夢見がちに鬱屈と生き、それでも、どこかで社会との折り合いを 着けたいと願う一読者にとっては「あなたが今此処に 生きて居る、存在して居るとしっかり自覚することが、死者と向き合う ことになるんです。それは自らの死と向き合うことにもなる。それこそが −−何よりの供養になるのです」といった、京極堂の台詞の数々は ある意味扇動的であるにしても非常に魅力的で、この辺「ゴーマニズム宣言」 的に、自分の“個”の確立を願う人間にとっては 多大に受け入れられる要素なのかも 知れませんです(「ゴー宣」に喩えて言うのには多大な反論が あるだろうと思いますが)。

 …さて、馬鹿ちんの分際で偉っそうに判ったようなこと言うのは ここまでにしておいて、もちろん 魔王骸作るぐらいの(僅かな)時間は残しますです。肩のブースターの プラ板組み。前回、ガレキ原型として作るときに手を抜いていた(ヲイ) ブースター内部もちょっと作り込んでいきます。



03年9月2日(火)

(本日模型作りながら横目で見ていた映画)
 惜しくも物故されたチャールズ・ブロンソンを偲んで「うる星やつら 2 ビューティフル・ ドリーマー」です(「荒野の七人」はいずれ借りてくるです)。

 先月衛星で放映されたのをやっと見たんですが、十数年ぶりに見てみると 「うる星」という物語のみならず、この映画そのものののビジュアルが、 イメージが、そして設定が (国内、海外を問わず)いかに多くの後続作品に影響を 与えたか、見ていてうぅむと唸ってしまうですな。ハリウッドもそこらの アニメ会社やゲーム会社も、押井守に年間億単位でカネ払わなきゃ いかんです(時の循環する疑似世界と、それらのすべてが一個人の願望や夢の 延長線上だった…という物語をこの20年どれだけ見てきたことか)。

 なんだかんだ言いつつ 世代人としては、「うる星」となるとなんとなく同窓会のような、面映い 気持ちで見てしまうですな。

 現在ほどの過剰生産消耗品でなく、作り手側も見る側も元気だった 時代のアニメというのは単なる郷愁だけでなく面白い。いわゆる美少女 アニメのハシリと言うか金字塔的な作品ながら、こう言っちゃうと、 「萌え」ってのはアニメキャラが単なる消耗品に貶められてしまったことを 意味する単語かも。

 はいアニメ見ながら真面目にプラ板切り張りしています。



03年9月3日(水)

 アニメばっか見てないで真面目に作業します。腕の甲のビーム砲カバーの 開閉ギミックを作っていくです。こうした完成後大して目立たない細かい 部分を作り込んでも作品の発表が遅れるだけかも知れませんが、まあ折角 コミック版で描かれてる部分ぐらいはなんとか再現していくです。



03年9月4日(木)

(聞く人によってはちょっと気持ち悪いかも知れない話)
 一応社会人である以上、やれと言われた仕事は(自分の出来る限り) きちんとこなす(努力をする)のですが、職場の駐車場の脇に猫の死骸が 転がってるから処分してくれという仕事を言いつけられるのは、自分の職場での ポジションとしてはどんなもんなんでしょうか(悩)?

 こういう野良猫の死骸の処分の場合、初めて知ったこととして、市のゴミ 処分場に持っていくと無料で荼毘に付してくれるそうで…(もちろん、当方の 居住地での話で、それぞれ地域や自治体によって違うと思うのですが)。まあ、 滅多にしない物の処分とそれに関わる調べ物をしたという意味 では貴重な体験だったのかも 知れませんが、既に硬直して地面に転がっている猫に多重に新聞紙を被せ、 段ボールに詰めて車のトランクに入れて処分場に持っていく…何故に野良猫は ドラ猫とも呼ぶのに野良犬はドラ犬と呼ばれないのか? 動物を指す言葉の 畜生として犬畜生とは呼ぶのに何故に猫畜生とは言わないのか? 色々と 感慨も湧くです。



 さて家に帰って模型作るです。肩ブースターは腕の可動を妨げないように 取り付け位置を変更、手甲ビーム砲のカバーの開閉が判りますでしょうか?  0.5ミリプラ板で作り、Tの字にカットしたポリキャップのランナーで可動 します。こういう部分を作っていくのは気持ちよくも楽しいですな。

 いい天気のおかげかやけに火星がよく見えますが、ともあれお魚くわえて るところを裸足の奥さんに 追いかけられながら逞しく生きていたであろう存在に敬意を示し、 合掌。 



03年9月5日(金)

 腕の基本工作がひととおり終わったところで脚の作業に入るです。
 膝、足首の可動部を仕込むため臑のパーツをノコギリで縦に分割する のですが、ウゥ…2年前のわし、何故にこんなブ厚いパーツを1パーツとして 抜いているんじゃ(泣)! 分割するだけで力尽きました。



03年9月6日(土)

 脚のパーツのバリを削ったり足首の関節作ったりしただけ。

 ゲームにしろ読書にしろアニメにしろ貪るように情報を頭に叩き込むような 日々を送ってきた反動か、ブロンソンと青木雄二が亡くなったショックが 尾を引いてるのか、せっかく模型作りの時間を取れる休日だというのにダラ けてしまいました…。



03年9月7日(日)

 ともかく制作ペースを戻さなければと、自分に鞭打つように臑内部の フレームをプラ板で作り始めるです。
 元々の魔王骸のガレキを、臑パーツを末広がり形状として作っていたおかげで 相当重くなることは目に見えているので…プラ板で置き換えられる部分は 出来る限り、レジンパーツをミニ四ノコギリでバラして作り直していく訳 です。なんでこんな面倒なパーツ分割のモノ作ったんだ、2年前のわし。



03年9月8日(月)

 大真面目に臑のフレーム制作中。



03年9月10日(水)

 面白そうな本ですね…にやり。



 昨日は作業サボって、今日は帰りがけあまりにいい本ゲットです。まだ さわりしか読んでないけどイヤ面白いです。
 50年前、戦勝国としての勝利感に湧くアメリカに、単身その大和魂と “神の手”を武器に毛唐どもを恐怖させたひとりの日本人がいた…。 憶えておこうマスター・カラテカ、凄い漢がいたことを。
(生“空手バカ一代”、「大山倍達、世界制覇の道/大山倍達」、角川文庫)



 そういうことでやっと臑のフレームに太股、足首のパーツを繋いでいきます。 でもまだ片脚だけ。



03年9月11日(木)

 もう片脚のフレーム制作中。

 ともかく昨日買ってきた本を読み進めているのですが、戦えマス・オーヤマ ! 地球がリングだ! ともかく大山倍達先生は闘う闘う!
 サンフランシスコにて、日本プロレスの王者力道山を倒したタム・ライスを 三角蹴りで破り、ブラジルにて伝説の足技カポエラに恐怖し、フランスでは 脚格闘技サファーデの師範を倒すことで自分の配下にし、日本では 吉川英治先生の「宮本武蔵」に感動して吉川先生の家に押し掛け、会えるまで 三日間玄関に座り込んだりして、もう大山先生地球の覇者状態。否、極真空手こそ地球最強なのだというもの凄い自己主張。

 いいなあ、ある意味夢に生き夢を裏切らない努力の元夢を叶えた、 その夢のためにどれだけの他人に迷惑かけようが知ったことかという 素晴らしく幸福な人生(マジ羨望…笑)。 古本屋で「空バカ」探そう。マジ面白いわ(…ところで、実は 大山先生、カポエラとかには敬意を払っても、中国拳法とかのアジア系格闘技 ってーかを 軽視している傾向が見えるんだけれど…これはもうモロ、大陸に対する ある世代の世代観認識ってやつなんだろうか?)。



03年9月12日(金)

 真面目に作業しているつもりなのに作業ペースが遅れているのは、どこかで モノ作る意欲が衰退しているからではないか? そう思ってモノ作りの意欲に 点火すべく久々にドリキャスの電源入れます。同人作家シミュレーション ゲー「こみっくパーティー」、 六甲おろしの関西姐ェさんこと由宇編シナリオです(作業時間に食い込む…)。

 自らの力の限界を知ってしまった者のコンプレックスと、しかし 捨てること叶わぬ自らの入れ込んだモノへの愛情。時に傷つき悩み、時に葛藤し、 それでも胸の奥に燃え立つはモノ作る者の誇り…。
 そういうことで、例によって週末だというのに仕事を定時で上げて ゲーム(「こみっくパーティー」由宇編)に入れ込んでしまいますが、 やっぱりこれは漫画にせよ造形にせよ、モノを作ることを趣味にした 人間にとってはたまらないぐらい感情移入できるゲームであります。もちろん、 基本的に高クオリティーの同人誌を作成してより多くの部数を売り上げるという シミュレーションゆえ、十字キーによるコマンド入力での同人誌制作パート の緊張感が…。ハイうちのドリキャスのコントローラーには両面テープで 500円玉が貼り付けてあるのですな(←ファミコン世代の悪知恵)。

 そういうことで、判りやすいまでにモノ作る意欲に点火しました。 両足分のフレームを一気に作り上げると共に、模型作ってから書かなきゃ ならないストーリー部分の展開がボーボー浮かぶ浮かぶ。やる気パルス 全開というか、テンション高かっな状態って良いです。

 …しかし、脚だけで無用に日にちを喰ってしまいました。一応胴体も作り直す つもりでいるんですが、ストーリー執筆と併せて今月中に終わるか?



03年9月13日(土)

 台風14号の影響によるフェーン現象で今年一番の暑さの1日、 中学時代、よくアニメだのガンプラだのの話題で盛り上がった当時のヲタ 友達と再会しました。中古ゲーム屋のパソゲーコーナーで…。

 お互い頑張ろうな!
(まあ同じく地元に住んでるんで、時折道で逢って「オゥ」とぐらい挨拶は 交わしてるんだけどね)



 無駄に暑いわでエアコンのない部屋にいたくないから作業も滞りがち ですが、ともあれ脚の構造を作っていきます。プラ板で作った 臑中央のブロックに注目。


ふははははは!




03年9月14日(日)

 レンタルしてきた「ボウリング・フォー・コロンバイン」での マイケル・ムーアの反骨精神(左翼衝動?)に感銘を受けつつ、 胴体の作業に入りました。
 今回、レジンパーツの重量軽減と可動のために ほぼ作り直しになるです…ただでさえ作業が遅れてるのに 手間を増やしてどうする!?



03年9月15日(月)

 阪神優勝おめでとうございます。

 ともあれ休日に家に引きこもってないで、自分のヲタ的見聞を広げるべく 地元開催のコミケってーのに、昼飯喰ってからダラダラと バイクで30分かけて行って来ましたです。


 会場である地元長岡市の産業会館(みたいな建物)ハイブ長岡って、実は 一度も行ったことなかったので会場の周囲の道路をちょっと彷徨って しまったのですが、しかし道路をそれらしい人たちが歩いているのを見て、大体の会場の建物に アタリがついたです(含笑)。
 所詮人口20万都市という地方開催のコミケなので、会場はコスプレスペース 含めて20分あればすべての卓を廻れる程度の規模でしたが、しかし… 確かに濃いめの特撮本とか京極夏彦本とかKanon本とか まで期待してた訳じゃないけど、 会場内のコスプレも本も、「SEED」と「テニスの王子様」一色。 連合の制服ってこんな地方ファンの間にも浸透してたのかとなんとなく 感心してしまいますが、会場の雰囲気からして既に「来る場所間違えた…」 と後悔気味(泣)。

「ちょっと読ませてもらっていいですか?」と、ラクス 様の格好とかしてる売り子さんたちに断り入れて何冊か店頭で読ませて もらったけれど、ふんふんやはり傾向としてはアスラン攻めキラ受けかと… やっぱり「来る場所間違えた…」とガックリしてたら、異彩を放つこと おびただしく009本が! 幸い内容も(そこそこ)健全につき、なんとなく 嬉しくなってそこで売ってたSEED本(女性作家の方だったのに、失礼ながら 意外とメカもきっちり描かれてた)共々購入。

 果たして自分の中で何か得る物はあったかと問われれば疑問は 残りますが、まあ同人誌にしろガレキにしろ、「自らの好きなモノに対する 愛情、憧憬を込めてモノを作る」という行為に違いはないなと(←無難な まとめ方)。

 そういうことで自分のほうの作業です。プラ板の切り張りにて胴体制作中。



03年9月16日(火)

「プロジェクトX」は録画して、みのもんたとオセロという安っすい組み合わせ が歌舞伎町から生中継で送るという裏番の「警察24時」を 見るです。そしてそれを横目に腰パーツを作っていくです。
(石原都知事緊急出演っていうから勇んで見たのに、石原慎太郎の出番が あからさまに前撮り…)



03年9月17日(水)

 そういうことで昨日録画していた「プロジェクトX(国産初人力飛行機の回)」 を見ながら作業するのですが、やはりひとつの画期的なモノを、集団の 情熱で作り上げたという話にすっかり涙もろくなっている…。どうせなら琵琶湖 での鳥人間コンテストの映像と併せて放送すればいいのにね。昭和41年、 初飛行15メートルの人力飛行機は、今や30キロ超を飛べるまでに琵琶湖で 進化してきたんだから。

 作業はやっと腰、胴体、両脚が繋がったところ。



03年9月18日(木)

 両肩に繋がるジョイントを作るです。



03年9月19日(金)

「なぜバタ子さんを殺したーっ!?」
 爆笑オンエアバトル(NHK)見ながらこの日誌を書いてるのですが、 二丁拳銃のネタがツボにハマってしまった。

 そういうことで、やっとここまで繋がったです。


 あと画像まだだけど、胸部装甲とかも作り始めました。せっかく 作った胴体部分の可動を妨げない工夫も考えながらの作業。基本的には プラ板でゲージを作ってから、木部用エポキシパテを盛っていくという いつもの作業になります。



03年9月20日(土)

 いよいよというか翼パーツに入ります。それにしても、このパーツを生産した 2年前のわし、どうやってこんな長ったらしい翼をレジンで抜いたんだ…?
 型抜きの関係でボツボツ存在する湯口とバリを削り落としつつ、気泡を ポリパテで埋めていくだけでなんとも疲労が…これは2年前のわしからの 挑戦か!? 畜生見てやがれ2年前のわし、力尽くでねじ伏せてでも完成させたるからな!



03年9月21日(日)

 職場が参加する関係で、「お前ちょっとサクラとして顔だしてくれや」と いうことで県主催による地域の総合防災訓練ってのに行って来ました。

 郊外にあるでっかい会社の敷地を借りての開催だったんですが、敷地が 広いというのもあってこれが結構大規模。ヲタ的なキモとしては日頃 お目にかかる機会がない緊急車両ってのに多数お目にかかれるというのが ありまして、定番の消防、救急車両はもちろんのこと(ヘリから降ろされた 被災者を、救急車まで移送する若い女性救命士さんが…デジカメ持って行けばよかったぁ! ←大愚)、 自衛隊のトラックに四駆、被災地用の大型照明車 (2kwの強力光源が6灯)、水害用の排水ポンプ車、NTTのP−MBS (可搬型移動無線基地局車)、被災地でもATMで郵便貯金を引き下ろせる 移動郵便局スペースポスト号等々…。

 もちろん、メインは防災訓練なので消火、救助といった訓練も自分含む 多くのギャラリーの前で執り行われる訳ですが、かなりキモなのが、敷地を 貸してる会社の建物の屋上からのヘリコプターでの救助訓練。10階建て ぐらいの建物の15〜20メートルぐらい上空から、ロープ一本で屋上に 降り立つレスキュー隊員ってのは「救急戦隊ゴーゴーファイブ」とかで 見慣れてたつもりでも、実際傍目に見て普通に凄い。被災者はそのレスキュー 隊員の方に掴まって同じくロープ一本で上空のヘリに引き上げられる訳で… いざ地震だの火事に巻き込まれるような事態に陥ったとき、高い建物の中には 居たくねえなあと正直に思ったです。マジ怖いわ!

 もちろん、決してこうした派手な訓練が主体でなく、警察のオフロード バイク隊による被災地捜索(マジで搬送トラックの荷台から、スロープも 使わず飛び降りていくんだこれが)、郵便局の赤バイクによる被災地の 要介護者やひとり暮らしのお年寄り宅の確認、市長からの各機関、自治体への 緊急連絡に緊急物資の配給に消火器による消火、救助犬による被災者捜索 等々…。
 こういうのを大真面目に見て思うのは、万が一自分がこういう被災地の中に 置かれる状況になったとして、出来るのはせいぜい瓦礫の撤去と炊き出し 配るぐらいだなという厳然たる自身の役立たずさ…。それでも 安心できたのは、たとえ震災だろうが 魔震(デビルシェイク)だのが来たとして、関東平野が地震喰らったぐらいでは 「バイオレンスジャック」や「魔界都市〈新宿〉」のような世界には 絶対なったりしねえなということ(苦笑)。ともあれ実際に災害が起こったとき、 人間が意外なまでに冷静に、人道的に行動できるというのは阪神大震災を例 に挙げるまでもなく実証されています。いざというときの備えとまでは いかないまでも、日頃背負って歩くカバンの中に、軍手ぐらいは入れておく ようにしようとか思ったです。
 行政の管理から離れてしまった被災地域で、暴力による支配の時代が展開するなんてのは 本当に漫画の中だけの話であるべきだよ。

 制作作業のほうは、引き続き翼と胸回り。もう主要なパーツはほとんど 出来てるような物なので、目標としては今週中の塗装開始を目指します。



03年9月22日(月)

 可変翼にいよいよポリキャップ仕込んだりツノの気泡にポリパテ充填したりと いよいよ外装の仕上げ一歩手前段階。あー、これから全身にタミヤパテでの キズ消し→ペーパー掛け地獄が待ちかまえているのね…。

 たぶん首都圏から1ヶ月ぐらい遅れてるんだろうけど、「トランスフォーマー マイクロン伝説/犠牲(すていし)」の回を見る。「トランスフォーマー」で 戦死者が出る展開ってのは 「ザ・ムービー」を除けば「ビーストウォーズメタルス」以来の出来事 (ダイノボットとかタランスとかジャガーとかデプスチャージとか、 吹き替えがファンキーな割にこの番組戦死者続出!)。
 サイバトロン、デストロン側 両方から文字通り[犠牲]が出る(にする)という二重の展開も、一方は捨て石、一方は 誇り高き戦死(新商品の都合上復活するのは見え見えだけど…笑)という 描き方の様も本当に 見せ方が巧く、オーラスのサイバトロン戦士達の敬礼と 視聴者の胸を打つコンボイの絶叫とあいまって、 この番組の文芸の質の、意外なまでの高さを存分に見せつけております。
 ただし、ファンとしては決してベタ褒めできる部分ばかりという訳でなく …アジア発注任せの作画は費用の問題としても、メカ演出のタルさとか メカ的見せ場が極端にないとかの問題は、ロボットアニメとしてはなんとか ならんもんかなあと(ホットロッドとステッパーの兄貴舎弟な義兄弟コンビ とか、「共鳴」と銘打って「うたごえ」とルビを振るサブタイトル付けの センスとかはかなり好き…笑)



03年9月23日(火)



すべてのパーツは揃ったぁ!


 あとはいよいよ各パーツにタミヤパテ盛ったりの仕上げに入るのみ。 作業の先が見えるというのは精神的に気持ちよすぎであります。

(祝日ということで借りてきた映画)
 蘭亭カントクからの私信で無性に故・天本英世博士の勇姿が見たくなり 「殺人狂時代」を再見すべく借りに行く。が、行きつけの ビデオ屋に置いてない…。許さん。この怒りは(山田)辰夫さんにぶつけて もらおうと「狂い咲きサンダーロード」を探す。これも置いてない …。
 わしの魂をフルスパークさせるいい映画が2本置いてないのは如何なること かと、胸の奥で沸き上がる暴力衝動に身を任せ、ビデオ屋を暴力と破壊の渦に 叩き込んでやろうと思い身構えたその時、視線の先、上の棚の隅っこに 発見しました…そうだ、オレには 天本博士にも辰夫さんにも会えなくても、地球最強の男千葉ちゃんがいたぜ。 実は恥ずかしながら初めて見ました…「直撃! 地獄拳(東映、監督/石井輝男)」です。

 ハイいわゆる空手ブーム真っ盛りの頃の映画なんだけれど、いやー良かった 良かった。ビデオに同時収録されている予告編に踊る「スーパースター 千葉 真一」(この予告編だけでもブッ飛んでてかなり素敵☆)のテロップにも 充分納得。元警視総監、池部 良の密命を受け、虎倒流忍術またの名を地獄拳 の使い手、千葉ちゃんが佐藤 充兄貴、中島ゆたか姐ェさんらと組んで、 津川雅彦演じるインテリヤクザが収めるマフィア(津川は「フィ」に アクセントを置くです)相手に血を血で洗う激闘また激闘! 特別出演 「帰ってきたドラゴン」こと倉田保昭も、千葉ちゃんと絡むシーンこそ ないものの闘う闘う! そして「(佐藤 充)せんぱ〜い、車の月賦の払い、 お願いしまぁ〜〜〜す!」と絶叫して散る(爆笑)!
 もうストーリーもパックボーンもどうでもいいぞ! やはり東映映画の 醍醐味は、JACと大野剣友会並びに大部屋俳優の方々による、 己の肉体を極限まで酷使したアクションに尽きるです! インテリヤクザ 津川の最終兵器(安岡)力也さんもブチのめし、津川も愛人のパツキン美女 もろとも潔く岸壁から投身自殺…そりゃ津川じゃなくても千葉ちゃんに直接ブチのめされるのは痛そうでヤだろうて。 「トラック野郎」シリーズとかもそうだけれど、やっぱり邦画が 面白かったのは「小難しい理屈がハバを利かす新感覚映像」なんてのが 出てくる前までって思うです。大衆娯楽路線の邦画がバカにされる風潮が 出てきたのはいつごろだったか…イヤこういう映画ばっかり見てても バカになるだけだけど(苦笑)、少なくとも映画見てる ときぐらい思考停止してバカになっててもいいと思いますです。いちいち 小難しいこと考えるのは見た後で。見ながらアレコレ考えてても映画が つまんないだけだし。



03年9月24日(水)

「仕事には堅い男なもんで」
 佐藤 充兄貴のパンチは、相手の眼球をピンポン玉みたいに飛び出させちまう ぜ!

 昨日見た映画がずっと頭の中を引きずり、なんとなく道歩くときも肩で風 切ってしまいますが、ハイ作業はサボりません。
 まずは腕パーツの仕上げから。プラ板で作り直した肩ブースターを中心に タミヤパテ盛り。



03年9月25日(木)

「直撃! 地獄拳」もインスパイアを受けた映画の一本に挙げてるクエンティン ・タランティーノ監督の新作「キル・ビル」が楽しみだな(含笑)。

 作業のほうは、本日は脚のほう。気泡埋めに盛りつけた木部用エポキシパテ やらポリパテやらを削り、プラ板での新造部分の継ぎ目にタミヤパテ盛り。



03年9月26日(金)

「電撃ホビーマガジン」の付録のゾイドがえれー嬉しくて、5分で組み立てて 遊び呆けているんですが、「フィギュア王」の付録のゲスラもいいなあ… でもどっちも高過ぎだ!(後者のほうは買ってないし)

 いよいよ胴体アンド頭部の仕上げ、タミヤパテ盛り…明日にはいよいよ!



03年9月27日(土)

 あぁあフレイ様がフレイ様がフレイ様がぁぁぁぁっ(号泣)

 そういうことでフレイ様がララァ化して「ガンダムSEED」も 終わってしまいましたが、まあ、下手に戦争が終わっての後日談とかの 描写はせず、最後までバトルで通しきった構成はある意味潔かったですな。 大人の一方的な論理を子供の側から「そんな理屈!」と切り捨てるのが 「ガンダム」の正しい終わり方ということなんですかね? ラス1話前で いらなくなったキャラの大量淘汰はある意味黒歴史に残る伝説となりましたが (苦笑)、イケメンのリュウ・ホセイと思ってたらスレッガーと して死ねたフラガは ともかく、黒い三連星どころかシャリア・ブル程の役割も得られず散った 連合新ガンダムトリオ(ゲスト的声優だけで構成されてた訳だよ…個々の ドラマもなんにもなくただコクピットで叫ぶだけの役だもん)、同じく 決してシュラク隊になれずただの色添えキャラで終わったM1アストレイ チームと来て、あぁあまさかフレイ様までフレイ様まで(クドく号泣)

 まあ、多くの若年層ファンを開拓するという意味では富野カントク御大でも できなかった(やる気がなかった)ことを為し遂げたという意味、評価には 値する作品になったと思います。全体的な支離滅裂な展開はともかくとして (爆笑)。まあ結論として、主人公が特別なコーディネーターだった理由 =最終回でサイコミュ使える仮面とサシで勝負するためだけ(ストーリー上、 他になんの意味もなかったよ)。そしてあのラストシーンの意味するところは、 やっぱり主人公と 最終的にくっつくのはホモだちだったということですかね…あぁあ地上編 をあれだけ盛り上げて、最後には淘汰キャラの一員にされてしまったフレイ様がフレイ様が(もうなみだがとまりません)

 はい作業です。ひたすら240番→400番と耐水ペーパーをかけて タミヤパテを削り落としです。いよいよ明日、最後に800番のペーパーを かけて…塗装開始します!



03年9月28日(日)

 800番のペーパー掛けと、0.3ミリプラ板による簡単なディテール付け も終了…ついに塗装寸前になりました。
 まずは表面積の広い羽根に黒の缶スプレー吹き。明日以降、いよいよ 本格的に塗装開始します。

(そういうことで今日見た映画)
 ハイ見ましたよ見ましたよ…「直撃地獄拳 大逆転(東映、監督/石井輝男)」です。
 カラテ映画ブーム真っ盛りの折り、ブームに辟易していた石井輝男が、 もう二度と自分の所にカラテ映画が来ないようにという意図で作られたらしい 映画ながら、その石井の意図がこの映画をカラテ映画の枠に収まらない、 見る者すべての度肝を抜く奇跡的な怪作として完成しております。
 前作「直撃! 地獄拳」と比較して、千葉ちゃんのアクション度20% ダウン、カラテ度60%ダウン、ただし、バカ度300%大幅アップ! フケとハナクソはビールに 注がれ、役立たずの相棒は屁ェ浴びせられてウンコに叩き込まれ、しまいにゃ 丹波哲朗の仕掛けた罠に嵌って千葉ちゃん、網走番外地行き…。素晴らしい!  「映画秘宝」の日本のカルト映画50特集にて「これぞ映画! これぞ秘宝! 見ないと一生後悔するぞ!」 と大絶賛されていた理由がよく判る、くだらなさをブッチギッたバカ映画さ!  ケイン・コスギとか永井 大とかはこの路線を継承したバカ映画に出演 しなきゃいかんよ(爆笑)! ともあれ、見ただけで元気が素直に湧いてくる 映画であります。アクションだけでなく、バカ演技もキマる千葉ちゃんこそ (自分にとっては)まさにスーパースターだぜ!。

 そしてもう一本、こちらはWOWOWで見ました。「ダーティーハリー」です。
 70年代から80年代にかけて少年期を過ごした世代には、心の底から 憧憬を抱かなければならない公務員が四人います。ドーベルマン刑事、ザ・ゴリラ、「西部警察」の大門団長、 そして山田康雄の声で喋るハリー・キャラハンです。
 今日放送されたのは惜しくも字幕版ですが、それでも頭のタガが外れた 連続殺人犯を相手に、サンフランシスコの暗部をムサ苦しくも、そして 犯人への怒りを胸に秘めて進むハリーは本当に格好いい。このハリー・ キャラハンから連なる刑事(デカ)の系譜を知る世代として、「踊る大捜査線」 の青島の、リーマン然した刑事像なんかとてもじゃないが受け入れられない です。
 やはり全盛期のイーストウッドこそ漢の中の漢というか、バスジャックした 犯人の視線の先、鉄橋の上に立つハリーのシルエットとか、犯人を射殺した 沼に、苦虫を噛み潰した表情にて市警のバッジを投げ捨てたりするシーン とか、何度見てもこう見終わった後で背筋が伸びるというか、 胸の奥が熱くなる映画であります。



03年9月29日(月)

 平筆一本根性決めて、水性ホビーカラーの黒を塗っていきます。別に MAX塗りのための下地塗装じゃなくて、魔王骸ってごっつ黒いロボだから 下地塗装もヌキでいきなり本体色塗り。あぁあなんて楽勝(にっこり)。



03年9月30日(火)

 基本塗装中。ともあれ明日には筆塗り終了、明後日にはスミ入れにつや消し スプレー吹きと、完成を目指すです。

 ああ、今月は真面目にほぼ毎日模型を作り、その間に映画見たりコミケ 行ったり猫の死骸を荼毘に付したり防災意識を新たにしたり 空手に燃えたりブロンソンと青木雄二の死に涙したりとえらく大変な1ヶ月で ありました。この1ヶ月で半年分ぐらいの人生経験値を得たような気が しないでもないですが、つまりその分平時において仕事が暇だったんじゃないかという 気も…一応きちんと毎日リーマン出勤してるんだよお(泣)。


豪雪地帯酒店・第二事業部はものをつくりたいすべての人々を応援 します。


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