『魔神竜バリオン』




(黒岩よしひろ著/集英社ジャンプ・コミックス)

作者HP



 主人公・志羽竜樹の父志羽博士が発明した、水から無尽蔵のエネルギーを 生み出すバリオンシステム。そのシステムを狙う巨大ロボット帝国 ハロウィーンに博士は暗殺されるが、自身の発明を悪の手から守るため、 息子竜樹にバリオンシステムを内蔵した巨大ロボを遺していた… その名は魔神竜バリオン!





バリオン初登場のカットと、連載終了後に描かれた作者の理想像。
てーか漫画が終わってからかっこよく描かれても(汗)。

 80年代から現在まで脈々と活動を続ける萌えエロの嚆矢、黒岩よしひろが 己が必殺拳であるサービスカットを封印して(ロリキャラはいるけど) 挑んだ、男児の夢・男なら一度は描きたい巨大ロボット漫画。そして見事に ジャンプ10週打ち切り。やはり読者が黒岩よしひろに求めていたのは サービス満載の萌えエロだったのだなあ。



黒岩よしひろらしからぬ暑苦しいページ。
男たるもの親の悪口を抜かす馬鹿なんか蹴り飛ばして当然だ。

 こうして今読み返してみると、ストーリーラインはダイナミックプロ系 漫画まんまだし、絵のほうも師事していた桂正和の影響が多分に残って おります。メカデザインなんかまさに80年代を象徴するようなトンがった 装甲だらけ。しかしまあ…なんつーか、 「若さゆえに、やりたいことをやり尽くしてやる!」というパワーだけは 不思議に満ち溢れた漫画。





かっこいいことはかなりかっこいい。

 打ち切りが決まった時期であろうラス3話の勢いは、打ち切り展開の 悲壮感を感じさせるどころかロボ漫画としてのかっこよさが全面描かれていて、 その勢いが最後までキープされたまま「戦いはこれからも続くぜ!」って ラスト見開きカットまで引っ張ってくれます。

  

ライバル・西風のゼピュロス。
わずか10週打ち切りの間にきっちり決着が着けられる。

 やっぱりこれも、自分の中で確実に影響を刻んでいった作品というか…。 今現在自前HPで仮にもロボ物創作なんかやってるのは、自分なりの 「バリオン」や「重機甲兵ゼノン」といった作品群たちの続きを書いてる つもりなのかも。  自分みたいな30オーバーのヲタ系趣味の持ち主たちが、未だ現役で ヲタ系趣味人の中心層にいるのは…自分たちの青春時代「80年代」に やり残したことを、今果たそうともがいているからか? 自分にとっては この「バリオン」も、愛すべき「80年代」の大切な思い出の一片で あります。

  

ヒロイン・アリスと鈴瞳(すずめ)。黒岩よしひろ漫画のヒロインのクセに 脱がない。
脚、太ぇ…。




(2006年10月27日)


豪雪地帯酒店・第二事業部は幾つになっても萌えエロ一代
黒岩よしひろ先生を応援します。


目次へ