みずのまこと版
『涼宮ハルヒの憂鬱』




(みずのまこと著/角川コミックス・エース)

作者HP



 なんか今では amazonのユーズド価格でもプレミアがついてるらしい1冊。 いえ普通に2006年6月、アニメ人気全盛期のこの時期にウチから歩いて 10分のTUTAYAで初版本買えたんですけど (2004年9月1日発行)。


 さて、現在「ハルヒ」の漫画といえば公式には「少年エース」で連載中の ツガノガク版 だけということになっており、こちらのみずのまこと版は角川の HPからも消失、絶版扱いとなり事実上の封印作品化しております。まあ 現在の「ハルヒ」人気のおかげで、公式上存在しないことになってるにも 関わらずやたら好事家の皆さんのエジキ化してるようですが(わっしも そのひとりだ、すんまそん)。

 さて、このみずのまこと版封印の理由は、自分が確認したかぎりでは、 作者が「ハルヒ」のエロ同人誌を、原作の番外編と称して自ら販売した らしいとのことですが…。まあ、個人的にはこういう作者のモラル違反説が 強いと思うことにします。いえ、作品に罪が無いことを思えば漫画の 内容についてとやかく言うのは流石に可愛そうですよ。たとえその内容が、



「漫研の学生が、仲間ウチの会誌に描いた同人漫画レベルの絵」

だったとしても…(流石に、全然デッサンの取れてない画力まではフォロー できない)。

 そして、こちらの黒歴史版単行本の数少ない褒めるところといったら、 まずはテンポがいいところですかね…。とにかく話自体はサクサク 読めるものとなっております。あと、何故か原作者と原作絵師の方が コメント寄せてるところ…。



「快調なテンポで進行するコミック版の展開には毎回新鮮な驚きを感じて います。
この後、小説のほうではまったりと島に行ったりプールに行ったり
盆踊りしたりセミを採ったり映画を撮ったり目からビーム出したり
ネットゲーム対戦したりハルヒがどっか行ったりしておりますが、
そんな感じのがこれからどのように描かれるのかどうなのか
夢想しながらコミック版ともどもひとつよろしくお願いします。では」
(原作者/谷川 流)

「こんにちは。小説版ハルヒの挿絵を担当させていただいております、 いとういのぢです。
この度はハルヒシリーズのコミックス第1巻発売おめでとうございます!!
コマの中で暴れ回るハルヒやキョン達を、いち読者としていつも楽しみに しております〜。
小説版では見ることのできない、ちらりと見せる表情の変化なども要チェック です!」
(原作絵師/いとういのぢ)

 いやあ、原作原理主義ファンの方にとってはこのコメントページだけは 魅力かも。いえ、 この漫画 ガチの原作ファンにはめっちゃ 嫌われてるらしい …んですけどね(汗)。


 まあ「ハルヒ」という作品自体の人気はまだまだ盛り上がるだろうし、 ネット時代の恩恵か角川がどんなに存在を無視しようと、様々な意味で 注目を集める漫画ではあると思います。

 さて、「こち亀」4巻「派出所自慢の巻」収録バージョンと共に自分の 本棚の希少本コーナーに据え置くべきか、「ハルヒ」人気の更なる 盛り上がりを待ってヤフオクに出すべきか(笑)。



カバー裏表紙に描いてあったイラスト。
今となってはせつない(泣)。



(2006年7月9日)


豪雪地帯酒店・第二事業部は現在も地道に頑張ってるらしい
みずのまことさんを応援します。
(amazonのカスタマーレビューは、基本的にユーザーの悪口の捌け口の場と 認識しましょう)


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