「ウルトラマンマックス」
36話〜





第36話「イジゲンセカイ」

幻影宇宙人シャマー星人 装甲怪獣レッドキング  電脳珍獣ピグモン 登場
監督:金子 修介/特技監督:鈴木 健二/脚本:福田 卓郎

「マックス」の世界観を築いたのは、やっぱり金子修介監督だったなあというのを 再認識。

 ピグモンとレッドキングの再登場に、毎度毎度しつこいぐらいにカリカチュア として「小さな英雄」をどうしても取り上げてしまうのは仕方ないとして(いや 「小さな英雄」好きなもんで…)、今回はDASHメンバーから登場怪獣に 至るまで、「可愛い」というキーワードで括られるのがなんともはや(笑)。
 ハイテンションなイヤミざんすこと四谷博士の登場に始まり、その挑発に ムキになって新発明に取り掛かるショーン、実は生態的にはメスだったらしい (!)ピグモンの振舞い、相変わらず侵略活動は高慢かつ悪質ながらスットコ ドッコイキャラのシャマー星人、ピグモンと一体化してしまったエリーの萌え度 全開ぶり(畜生満島ひかりかわいいよ)と、極めつけは相変わらずのズッコケ 番長ぶりが輝くレッドキング…!

 いやあ、物語のディティールとかテーマ性とかアレコレそれらしく熟考しながら 視聴するより、まさに「考えるな、感じるんだ!」というのが「ウルトラマン マックス」の番組スタイルと言うのを改めて実感。「超音速の追撃」も そうだったんですが、金子修介監督はぶっとんだ話作らせても本当に旨いですよ。 実際旧作怪獣のキャラクターをきちんと大事にしている部分も窺え、「電脳珍獣」 なる平成の頭名前が付けられたピグモンを劇中「友好珍獣」と、昔ながらの 頭名前で呼ぶあたりに感心。そして怪獣番長・レッドキングのパワーキャラぶりと ともに愛嬌ある男前ぶりをしっかり描ききってくれたのも嬉しいところ… レッドキングをウルトラポーズでジャンプさせるなんて凄い画が見れるのは、 まさにこの番組ならではですよ!

 人気怪獣再登場に出演陣もテンション高く演じきるギャグ路線、そして これでもかのラブコメ要素と(畜生やっぱり満島ひかりかわいいよ!)、 なんとも視覚的な可笑しさと面白さに溢れたエピソードでして…。番組の立ち上げ に(半分ネームバリュー目当てとはいえ)金子修介監督を招聘できたのは、本当に 番組にプラスに働きましたですよ。「平成ガメラ」的なリアル怪獣 シミュレーション路線を期待していたところにはちょっと物足りなさを感じつつ も…イイ意味で、金子修介監督のエンターティナーぶりを堪能させて いただきましたです。

 今回のシャマー星人=四谷博士…演じた渡来敏之は、金子監督の近年作品の 常連若手俳優とのこと。漫画的ケレン味溢れるシャマー星人のキャラクターを、 なんとも暴走気味に好演(怪演)しちょりました。
 今回の隊長…「相変わらず――な隊長さん」。ヒジカタ隊長って、金子監督の 演出下では俄然生き生きしたキャラになりますですよ(笑)。敵がシャマー星人 と判った途端、指令室の照明を切るあたりの芸コマさが嬉しい。
 今回のショーン…金子監督の演出下ではセリフに字幕。「ひらめいちゃったよ 神様ありがとう」。
 今回のコバ…「今日は墜落しなかったぜ!」。墜落専門要員って自覚してた んだね…(悲)。
 今回のレッドキング…最初街中に出現したときの「あれ? ここどこ??」、 「訳が判らんが…とりあえず暴れちゃるわいうぉりゃあっ!」という リアクションからして、まさに年月を跨いで怪獣ファンに愛され続けた怪獣番長 (嬉)。シャマー星人の異次元転送ビームを、マックス同様にさっと躱す あたりが何故かかっこよく見えたり。
 今回のマックス…「デスボール発射!」、「ヒートショック!」…と 言っちゃっていいよね(…感涙)。ジャンプ 黄金期世代として、懐かしさのあまり泣きそうになったですよ。

 さて、今週よりいよいよ後番組「メビウス」の番宣CMもスタート。 「マックス」同様、楽しく視聴できる番組になってくれることを期待しつつ… 放映時間が夕方に戻ることが、吉と出てくれることをまずは願いたいですな。



第37話「星座泥棒」

星獣ケプルス登場
監督:八木 毅/特技監督:鈴木 健二/脚本:小林 雄次

 小粒ながら味のある逸品。最終回直線に、ちょっとだけ小粋な星空話。

 なんか番組がカイトとミズキのバカップルぶりクローズアップから始まる のも珍しくもなくなりましたが、既にベースタイタン内部でもあの バカップルの恋バナで盛り上がってるあたり大した公認ぶりであります(笑)。
 ミズキの前に現われるのは、幼い日の自分に星空の美しさを教えた童 作家、成宮。そして地球を取り囲む宇宙は、自分たちの祖先たるサトン星人 が創り上げた天球界の中の閉ざされた宇宙。そしてミズキもまた、自分達と 種の起源を同じくする血族――。
 なんともいきなり壮大なSF伝奇話として幕を開けますが(苦笑)。 自分達が与えた星空の美しさを忘れ、地上に光を散りばめ星座の輝きを忘れた 地球人の振る舞いを嘆く成宮。なんとも成宮には、ある意味「ノンマメトの 使者」的なイメージが重なりますが…実は成宮と「ノンマルトの使者」、 真一少年には決定的な違いがありますです。

 劇中、ミズキがそうだったように、成宮とて地上の光の中で生まれ育った 地球人。自らの血族の血が異星のものであろうと、彼は決して祖先の代弁者 ではない。――ただの、人間の愚かしい行為に勝手な絶望を覚えたインテリ でしかない。

 自分を取り巻く現実と理想のギャップに苦しむ人間は、現実と理想の 折り合いをつけるために自身が特別であることを求める。それは例えば、 凡夫の理解を超えた“高尚な趣味” に走ったり(えてして、気付かず社会 規範を外れてしまったものになりがち…他者からヲタクと呼ばれる程度から、 最悪のケースが猟奇犯罪者)、なお自分に特別な才を持たないことに 気付くと「自分の先祖はこういう立派な人間でした」と家系・血族をして 自身のアイデンティティーとする。
 成宮にあったのは、“自分が天球界の扉を開くことができる”という、 努力で得たのでなく血族として持っていただけの能力でしかない。あるいは その能力が、彼に愚集の中で生きなければいけない現実を突きつけ、地球人で あることを捨てさせようとした要因足るのかもしれないのですが。

 ここで、番組を見ていて、少なくとも自分が感じたままに言えば――この、 人間の作った光に満ちた地上に生きる人間として、ミズキと成宮にはなんの 違いもない(劇中、ミズキもまた血族としての能力の一端を示す プラネタリウムでの描写がありますが)。ただ人間であることを誇って 地上に生きようとする者、身勝手な絶望感から地上から去っていこうと する者というだけの相違なのだ。

 ミズキがパイロットへの道を希望したのは、少女時代、成宮と彼の書いた 童話との出会いこそルーツ。自分が書いた童話が、ひとりの少女の人生を 決定付けた。もし、成宮がもっと早くそれを知っていれば――自分に、 他者の人生に影響を与えられるほどの力があったことを知っていれば、 また成宮という男の行く末も違っていたのかもしれない。

「地上の光もかけがえのない光」
「地上の光は、平和の証」
「だって――光は希望の証だから」

 夜空の星を愛した男は、地上の星をも愛する少女に、共に故郷への道を 辿ることを拒絶される。そして彼は、もはや自身のアイデンティティーに 殉じる形で星空への道を昇っていくしかない。
 個人的、本来の物語テーマとしては星空をめぐる寓話的な物語なんで しょうけど…なんだかどうしても、萩原流行演じる今回の主役である成宮を 中心に話を見てしまったのですよ。あるいは成宮自身が(劇中特に描写は ないけれど)既に故郷の星と連絡を取り合い、異星人という自身に覚醒して 母星からの指示でミズキを迎えに現れた…だけの話なのかもしれませんが、 自分としてはどうしても前述の「成宮=世を拗ねた孤独な才者」として 見れてしまったもんで。

 なんというか…もし、故・岸田森(「怪奇大作戦」牧史郎役など)が存命 だったら、氏が演じていた役ではなかったか――? 萩原流行の演技を 見ていて、そんな郷愁に囚われてしまいまして…。

 ちょっとばかしひねた視線で番組見ちゃったなあとも思いますが(苦笑)、 今回本当に萩原流行の、終始物語の雰囲気を象徴する静かな佇まいが本当に 良かった。エピソード的には本当に小粒なんですが、小粒として全体に 埋もれないエピソードが多いのも「マックス」の尋常でないところだなあ と思いますですよ。

 今回の萩原流行…いや別に、萩原流行が特撮ヒーロー物に出るぐらいで あたふた言わないですよ。わっしの世代は「スケバン刑事V」見てんだから (笑)。
 今回の隊長…恋愛に辛い過去があるらしい。
 今回のエリー…流れ星にかける願い「いつまでも、みんなと一緒に いられますように」。畜生とことんまでに満島ひかり可愛いよ! とことん までに!

 次回、いよいよ訪れる約束の時…。最終回、前編!



第38話「地上壊滅の序曲」

機械人形オートマトン 機械獣サテライトバーサーク 機械獣 スカウトバーサーク 登場
監督:八木 毅/特技監督:八木 毅/脚本:小中 千昭

 前回、感想を書くのに二度見したら、やたら萩原流行に感情移入して しまって番組感想とはほぼ遠い妄想電波怪文に…。なんだかアップした後で 恥ずかしくなってきましたが、あれはあれでエピソード見なかった人を 上手く騙せたら面白いなとそのまま残すことに決定(なんていじわる!)。 まあ、ここの感想コンテンツが、あくまで個人主観感想であって番組 視聴ガイドとしては決して役には立ちませんよということで…。

 都心湾岸に浮かぶその存在感から、視聴者たる子供たちに愛され続けた (売り場でオモチャ絶好調に売れ残ってるけど)ベースタイタン、壊滅…!
 あまりに怒涛の破壊図から幕を開ける最終回前後編第一章!

 序盤のスカウトバーサークによる夜間の都市破壊シーンは、逃げ惑う 群集…という当然でもある存在と、緊急に出撃しつつも苦戦に陥るDASH。 変身しようとしつつ、マックスからM78星雲への帰還の時が近付いて いることを知らされるカイト。スピーディーに画面に盛り込まれるこれらの 要素が、最終回に向けて非常にうまく危機感を演出していてちょっと感心。 そしてマックスの能力を解析しつつ、ギャラクシーカノンの前に破壊される スカウトバーサーク。ちょっとだけ希望を漏らせば、間違いなく最終最後に 現れる敵のための地上戦力解析のために先行派遣されたであろうスカウト バーサーク。「今回のクライマックスにて最終最後の敵登場→マックス敗北 にてクロージング」という定石的な流れにしても、最終回に向けての危機感、 期待感を盛り上げられたと思いますが…。

 番組のオーラスを飾る敵、地底都市デロスについてはこれも、往年の ウルトラファンの喉元に刺さった小骨となる存在の正体…ではないかという 推測が働きます。そう、「セブン/地底GO!GO!GO!」での、ロボット ・ユートムによって守られていた地底の無人都市…! 地底に辿り着いた カイトとミズキが目の当たりにする、機械が文明の代弁者となる、人の 存在を感じさせないデロスの世界の様もまたかつての地底都市とイメージが 重なりますです。思えばかつて無数のユートムに守られていた地底都市も、 その都市に住まうはずの人間の姿が一切登場しない、存在そのものの謎を 残したまま破壊されるというミステリアスな幕切れを迎えました。 最終回脚本を任された小中千昭による、40年に渡る謎の回答…という 邪推も働きますが(苦笑)。
 地上の人間の経済活動によって、滅亡の危機に瀕した同じ地球に住まう 文明。その存亡を託された機械たちが、命令に忠実に、地上の文明を 滅ぼそうとする…! マックスとて、これは同じ星に住む異なる文明同士の 戦い、異星よりの観測者たる自分に、同種族同士の諍いに干渉することは できない。
(「デロス」のネーミングについては、映画 「ウエストワールド(73)」の舞台となる、暴走したロボットに支配される アミューズメントパーク・デロスランドから取ったんじゃないかと これまた邪推)

 地上はいつ平和になるのか? 自分は平和に生きているのか? そして 、自分は果たしていつ死ぬのか…?
 ミズキの訴えるような問いに、機械として冷徹な予測を返すエリー。 そして、機械であるが故にモニターしてしまう、ミズキの“死”――。 DASHメンバーたちとの交流で培われてきた“感情”が、機械であるはずの 彼女に驚愕の表情を刻ませる。前回クロージングでの、流れ星への願いを 思い返せばまさに衝撃的な描写であります。

 絶望感に苛まれ、カイトの腕の中で力尽きるミズキ――。そして最終回 予告にて提示される、十字架に磔とされたマックス(歴代ウルトラマンたち の辿ってきた、聖書描写的な受刑の様!)。果たして番組が如何なる結末を 迎えるのか、それを目の当たりにする時は近付いております。すべては いよいよ次回…。

 今回のダッシュバード3号…最終回直前になってダッシュマザー収納と ドリルタンクモード! てっきりオモチャだけの設定で終わると思って ましたですよ。ドリルが先端に付いた状態では飛行できないって…円谷メカ の先輩、アイゼンボーグ号を見習えと(くすくす)。

 思えばVシネ「ウルトラセブン最終章1999」においても、 「ノンマルトの使者」に対する決着編とも言うべきエピソードが展開されます (脚本/武上純希)。かつて番組に残った謎を、解明させる物語を書く というのはある意味同人誌的な作業ながら、「ウルトラ」で育った多くの SFファン出身クリエイターの欲求でもあるんですかね? 



第39話「つかみとれ!未来」

機械人形オートマトン 機械獣サテライトバーサーク 機械獣 ギガバーサーク 登場
監督:八木 毅/特技監督:八木 毅/脚本:小中 千昭

 破滅の予言も、死を宣告する予告も決して当たることはない。
 人が、その手で未来をつかむことを希求し続ける限り…!

 さて、今回の感想はひとまず置きまして、まずはここで物語全体を 振り返ると、40年の長きに渡る「ウルトラ」の歴史の中、 「ウルトラマンマックス」とはどんな位置付けの作品だったでしょうか?
 元より「マックス」とは前番組の不振を受け、主に商業的見地に立脚点を 求めて急遽作られた作品というネガティヴな側面は今後も語り 継がれていくことと思います(前番組が新展開に入り、新しいヒーローが 活躍したばかりの頃に早くも番組情報がアナウンスされていたという…)。 そうした準備期間も満足に取れなかったであろう制作側が打ち出してきた のは、商業意識丸出しなばかりの「過去の人気怪獣続々登場路線」だったり 「初代マン」を意識した王道復権といった要素だったのですが… それらネガティヴに語られるべき要素が、現在の特撮ファンのみならず 多くの視聴者のニーズに見事に応えたのは、皮肉的でありつつ嬉しい 誤算であり、同時に「面白い物語を生み出す土壌」となったことは番組に とって大きな幸運でした。

「マックス」のストーリーラインそのものは、それこそ「判り易いまでの ベーシックなウルトラ」として構築されており、それは視聴者にインプット された「お約束」として、番組の世界の中に視聴者が容易にのめりこむこと が可能となったものです。つまりそれは、個性様々な監督、ライターたち の世界観を反映させた作品作りを可能にしたものであり(「ネクサス」や 「平成ライダー」が、連続ストーリー性を重視したが故に枷を はめられてしまった部分とも言えますが)、その緩急混沌とした番組 スタイルは前番組「ネクサス」とものの見事に対を成すもので、ともすれば 番組自体の制作動機の薄さを浮き彫りにするものでもあります。

 前番組「ウルトラマンネクサス」はハード・タッチな雰囲気の連続SF ドラマという極めて高い志の元に生み出された番組でしたが、逆に視聴者が 求めるウルトラマン像と大きく乖離した作品カラーを出すこととなり、 思った以上に注目を集めることなく、予定されていた放映機関をまっとう できず終了の憂き目を見てしまうこととなります(もちろん、その 「制作側の高い志」故に怪獣ファン的には注目すべき部分も多く、 明確な打ち切りを感じさせなかったラスト近辺の盛り上がりは、番組への 否定的意見を払拭させるテンションを持っておりました)。そして、悪く 言えば「穴埋め」としての役割を持って始まった本作に、「ネクサス」 ほどの緊張感の伴う制作背景が望めるべくもなかったはずですが、逆にその 「肩の力を抜いた」姿勢そのものが、番組のスタイルを大きく象徴する ものとなりました。

 作品としての「マックス」の空気に、たしかに「ネクサス」のガチガチと した緊張感は見られません。ですが、それは前述の「番組の世界の中に視聴者 が容易にのめりこむことが可能」という要素を大きく支えるものと なりました。その心地いい感覚すら漂う番組のウェットな空気は、番組 放映前のPRの効果と共に「我々が見たかったウルトラ」として多くの 視聴者に迎えられることとなります。

 そして混沌さながらの39の物語が、我々視聴者の前に現われました。 金子修介監督の怪獣映画へのポリシーにうんうん頷き、ライター小林雄次の 若い才能に感嘆を覚え、三池崇史監督の現代性を映した感性に固唾を飲み、 ライター小中千昭のSFマインドに憧憬を覚え、村石宏實監督のバトル演出 の熱さと時たま顧みるお茶目なハズし方にツッコミを入れつつ(苦笑)、 実相寺昭雄監督、飯島敏宏監督、上原正三氏や藤川桂介氏といった ベテランスタッフの方々の仕事に膝を打つ…。ひとつのテレビ番組にて、 こうも泣いたり笑ったりと情感を揺さぶられたことなど何年ぶりのこと だったか。
 連続ドラマという大きく一本化したストーリーの全体像に呑まれること なく、個々のエピソードがそれぞれの輝きを放ち視聴者を魅了する…。 これは「初代マン」と双璧を成す、「ウルトラ」40年目における新たな ベーシックと呼んで差し支えない完成形を持つに至ったと言っても、 決して過言ではありません。


 …そして、万感の想いを込めて、いよいよ最終回であります。物語の ベース自体に「セブン暗殺計画」があることは傍目に明らかではありますが (苦笑)、登場人物たちが、最後の最後まで希望をつかみ取ろうとする姿… ミズキに予測された運命を、必死の努力にて塗り替えるカイト。そして 最高の仲間であったマックスの危機の前に団結するDASHと、決して 絶望しない「勇気」を描ききったことで、「ウルトラの王道復権」を掲げた この番組のテーマは完全にまっとう出来たと思いますです。その到達点が、 2076年、銀河観測の旅へと飛び立つ、新たな未来をつかもうとする若者。 そしてそれを、光り輝く地上から見送る老夫婦…。淡い光彩と重厚な BGMが「未来」という雰囲気と調和して、オーラスに相応しい、清々しい 余韻を残すクロージングにはただ涙…。

 制作40年を迎え、そして新たな未来へと向かおうとしている「ウルトラ」。 その「未来」への第一歩を踏み越え、続いていく者たちの礎にして新たな 旗印。そのスタイルを築き、21世紀空想特撮シリーズ「ウルトラマン マックス」は完成を見たのだ。

「つかみとれ!未来」。このサブタイトルに相応しく、人類が未来を得た画 を映して「マックス」の物語は終了となります。新たな未来を得た人類は、 いつか、宇宙の果てにて、遥かなる友人にそれを伝えることができるの でしょうか? たとえそれが30年後でも、更に先の未来でも、いつか 出会えるだろうことを視聴者としても願います。その名に相応しき「最高」 の友人に――。

 …最後に、
 今回のゼノン…どうせ来るなら、マックスがピンチの時にこそ来いよと 視聴者全員から激しくツッ込み(笑)。まあ、宇宙の観測者たるマックスが 地上に降り立ちそこに干渉するということ自体がイレギュラーな出来事 だった訳だから、最後まで宇宙で待ってるってのは道理なんだけどね… でもダブルウルトラマンの共闘は見たかったと(ちょっとだけ、 最後のグチ)。


豪雪地帯酒店・第二事業部はものをつくりたいすべての人々を 応援します。


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