2003年良かったモノ



「映画」

「キル・ビル」!

以上。
 …いえ、「キル・ビル」に至るまでに見てきた面白い映画も結構 あるんですがね。とにかく問答無用で面白かったのが「直撃地獄拳」 シリーズ。他に今年も模型作る傍らBGM替わりに映画を見てて、 結構イロイロ見てたはずなのに( 「映画えっちほー」参照)、11月になってから見た「キル・ビル」 にすべて総括されてしまいました…。


「アニメ」

「機動戦士ガンダムSEED」
 若さゆえの過ちは認めたくないと黒歴史中最も不運な男は仰って ましたが、その台詞が嫌なぐらい当て嵌まってしまった黒歴史の一遍。 ともあれ「ガンダム」というメディアをその始まりからリアルタイムで 追ってきた世代にとっては腹立たしさが前面に出る「ガンダム」なんだけど、 これまで「ガンダム」というモノを見てなかった世代をキャッチする魅力は 充分に備わっていたようで。ともあれ「ガンダム」の経済効果の凄まじさ という意味で、最もファーストガンダムに迫ったかもという点では、 こうなってしまっては「認めてしまうしかない若さゆえの過ち」と 言ってしまうしかないんでしょうね。ちなみに、自分にとって「SEED」 とは、ガンプラが売れたのとフレイ様がすべてです (笑)。

「超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説」
 スタッフ名をネット検索してみると、これまでロボットアニメ にあまり関わらなかったスタッフが手掛けていて、それ故群像劇 というドラマ面のスタイルについては実は 「SEED」みたいに脚本が破綻していない分秀逸な出来 (一応文字反転)。実質的な主人公として、サイバトロンと デストロン両陣営の一兵卒である ホットロッドとスタースクリームを中心に置いたストーリーは それぞれの成長が丹念に描かれていて素晴らしく好印象。後期主題歌は この二人に非常にシンクロするです。

「キノの旅」
 大して話題にもならずに終了しましたが、良くも悪くも原作に忠実 な出来については、実はアニメそのものよりも原作者のセンスが優れて いるというだけの証明にならないか? どうしようもなく地味な番組 だったけど、原作小説とEDテーマのCD、中古PS2ソフトに手を出させる ぐらいの威力はありました。経済面が許せばDVDも買いたかった んだけどね(泣)。

「鉄腕アトム」
 むっちゃくっちゃ金かかってる! てのが第一印象。スタッフに小中兄弟が 関わっている割にはあんまりダークな方向に話が行かないのが不思議 だったんだけど(苦笑)、もとよりアメリカでの放映も視野に入れられて いる分、向こうの放送倫理では「子供が見ていて悲しい気分になる展開は ダメ」なんだそうで…なんとなくあちらの国の人が好戦的な大人に 成長する理由が判りました(汗)。ともあれ作画的にはとてつもなく 凄いし天馬博士のキャラ設定も唸るんだけれど、「地上最大のロボット」の いじり方がなあ…。あ、ZONEの前期主題歌、CD買っちゃった。

「デ・ジ・キャラットにょ」
 一応自作のでじこ人形に小学生が反応したという実体験(爆笑)を経て、 子供にも認知されている作品らしいことは判ったけれど、それにしても 首都圏で日曜の朝に放送されている作品として、致命的なまでに独善的 (=ひとりよがり)なギャグが目立つあたりが。しかし、その独善的な ギャグに自分の内のヲタ心が反応してつい楽しんでしまう分悪口が 言いにくいと。ともあれ、当地では深夜枠の放送で良かったなあ(うーん)。

「獣兵衛忍風帳・龍宝玉篇」
 これまた海外セールスを視野に入れた作品というだけあって、 内容的にはとにかくアクションで押し切る構成が石川賢的でもあり 非常に潔かったです。「セガのゲームは世界いちぃぃっ!」の作者、 サムシング吉松氏キャラデザによる毎週毎週の変な忍者も外連味たっぷりで 二重丸。

「鋼の錬金術師」
「SEED」の後番組なんですが、ティーン向けの作風を継続した ことによりこれまでの視聴層を直接取り込むことに成功したというのは 結構偉いのかも。マイフェイバリット脚本家、會川昇をメインに井上敏樹 も「超光戦士シャンゼリオン」ばりの軽妙な話を持ってきたりと、 脚本的には結構面白い話も多く割と注目しております。

 …その他、印象的な作品としてはまさに大団円という言葉が似合う 最終回を見せた「オーバーマン・キングゲイナー」、遅ればせながら の鑑賞ながら、制作コンセプトにも作品自体の出来にも非常に感銘を 受けた「ほしのこえ」、浦沢義雄不条理 ギャグ全開が心地良い「ボボボーボ・ボーボボ」、素直な癒し系 「魔法遣いに大切なこと」等がありましたが、後半から 「サブマリンスーパー99」など松本零士アニメの再興が非常に 目立っていたというのが。放送メディアの過多よりアニメの本数も 飽和状態的に増加しているようで、未見の作品群の中には自分にとって ベストなものが多々あるのかも知れないけれど、ともあれ見てきた中での 2003年ベストは「キノの旅」最終回と「ふたつのスピカ」第1話が 同時受賞です。いえ両方とも原作付きなので、純粋にアニメ単品としての 評価にはならないんだけど。

「特撮」

 印象的、という意味では「爆竜戦隊アバレンジャー」…もちろん 悪い方の意味で。 多くの子供達が人生最初に視聴するテレビ番組たりえる「戦隊」で、 番組をまとめるメインライターがヲタであることは非常にマイナス でしかなかったなあというのが素直な評価。ともあれ番組見てて、 近親憎悪的な嫌悪感を憶えたのが…(複雑)。
 仮面ライダーを、ヒーローとしてでなく単なる劇中アイテムと割り切った 演出は白眉の「仮面ライダー555」も、井上敏樹による脚本が 実質的には「アギト」のなぞりにしかなってないので、毎回毎回次回 がどうなるかは気になるんだけれど印象的には弱いです。ちなみに ベストなキャラは仮面ライダーカイザこと草加雅人。あの根性の曲がり具合 はまさしく井上敏樹キャラ(笑)。
 上記2作品が子供番組として変則的な出来に徹してしまっている分、 「超星神グランセイザー」が他社作品ながら実は最も老舗東映的な 作品になっている のもなんだかヲイな現象ですが、認知度や注目度はぐんぐん高まっている ようで、色々な意味で注目したい番組であります。
 あと「ゴジラ×メカゴジラ」の、従来のファンも新しいファンも大切にした 作風は、これまた余裕が許せばDVD買いたかった作品。ともあれ、 今年のベストとしては今後の注目度買いということで「グランセイザー」を 挙げます。ちなみに番組内要注目は、自分の中では大地のトライブ( おまわりさんドリル)。

「ホビー系」

 今年はナニが流行ってたんだろうなあ…? 年始めにはゾイドブロックス を追う形でバンダイの「マシンロボレスキュー」が出て、今年はユーザーの 想像力次第のブロック系玩具が来るのかと思ったけれど案外そうでも なかったし。ともあれ2003年は独自のブームはなく 前年の流行り玩具の継続だったと 言い切るなら、クラッシュギアもベイブレードもそろそろ下火に なってきたみたいだし、メーカー側はまた新しいヒット玩具を 生み出さなければならない時期ではあります。
 個人的に今年のヒット玩具はコンボイスーパーモード。電動・変形を 売りにした玩具はこれまでなかった訳じゃないけど、コンテナ→基地→ 合体ロボの半身への変形が、収納→展開というプロセスを経ているあたり 自動変形の様を見ているだけでも心地よく、技術とアイデアがいい意味で ミックスしていた良品でしょう。

「プラモ」

 言い切ります。モビルバクゥ及びモビルグーン。いえ他に技術的に 優れていたキットが出ていなかったという訳ではなくて、 バクゥとグーンが発売されたという快挙こそが2003年の 模型史に残る出来事でしょう(笑)。

「本」

「陰摩羅鬼の瑕」と「キノの旅」以外、なんか活字読んでたかなあ… (汗)。
 例によって漫画から言えば、しつこいけれどアニメ見て一発で ハマった「ふたつのスピカ(コミックフラッパー)」。あと 日本最強のヲタ系漫画家(褒め言葉)、長谷川裕一の星雲賞受賞は 自分にとってちょっとニュースでした。

「ゲーム」

 来たぞ来たぞ…2003年も暴走気味に紹介させていただきます。

 2003年のベストは問答無用独断偏見にて「斬魔大聖デモンベイン( パソコン)」に決まってます。ちなみに2004年のベストはPS2 移植版「機神咆吼デモンベイン」にほぼ確定しています(笑/2004年3月11 日発売)。

 2003年ものすごく暴走ゲーム大賞は「Wind -a breath of heart- (ドリームキャスト)」。 いやあ、元のパソコン版からの追加シナリオの突っ走りすぎがあまりに 素敵すぎました(笑)。元よりギャルゲーとしてトータルな出来は そう悪くもないし、新海誠氏によるOPムービー及び挿入歌ムービー は素直に必見です。とうとうというかいいのかなというかでPS2 にも移植されましたので、世の中突っ走ってる物が好きな人間は結構 多かったようです。

 入れ込み脚本大賞は「My Merry Maybe(PS2)」。昨年度紹介した、 「ブレードランナー」から多大にネタを貰っているゲーム 「My Merry May」の続編なんですが、人口生命体の女の子がヒロイン という内容からして注目から外されてるんだけれど、「命」、「心」、 そして「魂」というセットとして切って切れぬものを、ひとりの 造られた生命を軸に語られていく物語だからこそ、「心」は受け継がれ、 「魂」はまた学んでいく…その課程が前作以上に丹念に描かれている あたりが非常に好印象。
 ちょっとネタバラシすれば、ぶっちゃけて言えば 前作のハッピーエンド(脇ヒロインのひとりとの エンディング)をぶち壊しにした上での続編だったことが明かされ、 その真実は、無垢な心には重く、作られた命には過酷で、生まれたての魂 には残酷で…。それでも、心の拠り所と魂の在り処、命が生きていくことの 意味が、きっと何事もない人と人との結びつきにあるということを示す ように…画面に映し出されたオーラスのCGにはもうただ感涙で…。
 とにかく正直大したことない作品の続編が、どうしてここまで化けたのかが 不思議なぐらいの良作なんですが…その大したことない前作を前もって プレイしてないと判らないという部分も多く、セットでやってもらわなければ ならない分積極的に勧めにくいというジレンマも持ったゲームであります。 とにかく脚本的には、間違いなく2003年最高の作品でありました。 もし「デモンベイン」プレイしてなかったら、たぶん今年のベストゲー。

 感銘受けました大賞は、ひっじょーに今更なんですが(ついでに 人様から違コピしてもらったやつなんだけど)「月姫(パソコン/同人)」。 ゲームそのものの内容及び出来映えについては既に多くの人に語られている 物なんですが、とにかく才能次第で、同人でもメジャーに決して劣らない 物は作れるというのは素直に凄かった。そして行き着いた先が、まさかの TVアニメ化ですからねえ…。原作ゲームが同人という形態上、 興味を持っても入手できずプレイすることが出来ないという状況はたぶん あちこちで発生していると思われるので、ビジュアル面をリニューアル した上での商業作品化、願わくば家庭機用ゲームとして移植されることを、 既に単なる1ファンとしては期待したいです。

 その他佳作としては、漢道熱血ゲー「Only you 〜リベルクルス〜 (PS2)」、ほとんどオマケの可動巫女さんドール目当てで 購入した「フーリガン 〜君の中の勇気〜(PS2)」の2本が、両者とも 意外に真面目な東映ヒーロー物のオマージュになっていて思った以上に 楽しめました。前者、冒頭から「父よ、母よ、妹よ!」だったり正体を隠して 主人公を導く仮面の漢とかの要素が嬉しすぎ! 後者、主題歌を 串田アキラが熱唱しているのが良すぎで、もちろんMDに落として 聞きまくりです(ご満悦)。
 今年の「第2次スーパーロボット大戦α(PS2)」は、 とにかく日頃二軍落ちにして全く使わなくなるユニットも楽しく参戦 させられる小隊システムが物凄く秀逸! むしろ小隊編成やユニット強化の ためのインターミッションのほうが戦闘より時間かかってた気も。
 地味ながら忘れ得ないゲームとしては「カナリア 〜この想いを歌に 乗せて〜(ドリームキャスト/PS2版もあり)」。部活動青春路線という 内容に羨望的な感覚すら憶えてしまいましたです。「夏夢夜話(PS2)」の、 松本零士的でもあるロマン溢れる幻想の旅も、ゲーム中のあちこちで 「999」の主人公、鉄郎になりきったように鼻水をグズらせたと (すんまそん)。
 他にキャラ物なら、「仮面ライダー 〜正義の系譜〜(PS2)」の 壮大なライダーごっこシミュレーションに相当入れ込んでしまったです。 次回作ではぜひアマゾンとストロンガーを!

 さて、フッフッフ…もちろん黙ってこのまま終わりません。発表、 2003年最も自分を怒らせたドクソゲー大賞は…もうぶっちぎりで 「SNOW(パソコン/ドリキャス及びPS2にも移植)」です。
 とにかくもう、ゲームを構成するすべての要素が嫌悪と 唾棄の対象というか、元々パクリだけで構成されたパクリゲーといえ、 パクリも過ぎると「自分の大切な物を泥靴で踏みにじられた」という 気分を過度なまでに味わせてくれるのだなということを、傷痕が残るぐらい 勉強させてもらいました。変にビジュアルだけは いいもんだからほいほいと家庭用ゲーム機に移植されまくって しまいましたが、少なくとも「Kanon」をプレイした人(できれば 「AIR」もプレイした人)はこんなん買わんでいいです。 てーか、一応エンディングまでやって、怒りのあまり速攻で中古屋に 叩き売った身としては、軍歌をスピーカーからがなり立てる黒い車に乗って でも販売を妨害してやりてえ(←不謹慎すぎ!)。


 さて2003年のトップニュースは、環境的にはやっとデスクトップの パソコン(ヤマ電の格安セール品)買ったことと、私的には身内の、 膝の皿割っての 入院ですかねえ。この正月は「どうせウチ帰っても動けないから 病室で寝てる」なんてフテてやがるんですよ。

 ともあれ2003年は、「キル・ビル」とフレイ様と 「デモンベイン」 の年でありました(笑)。では、次回の更新は1年後の予定です。

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